関ケ原
★★★
製作:2017年 日本 上映時間:149分 監督:原田眞人
石田三成の視点から見た関ヶ原の戦いを描いた超大作時代劇である。また有利と思われた三成率いる西軍は、なぜ家康率いる東軍に敗れたのかを解説した映画と言っても良いかもしれない。
最近はNHKでしか観られなくなった時代劇、それも超大作となれば是が非でも観たくなるものだ。そしてキャストも生真面目な三成に岡田准一、したたかな狸おやじ家康に役所広司、さらに有村架純、東出昌大、平岳大、滝藤賢一、松山ケンイチ、西岡徳馬などが脇を固めている。そんなわけで評価が低いことを知りつつも、この映画を観る羽目になったのである。
ところがこれだけの超大作を2時間半にまとめたため、「関ケ原までの歴史」ダイジェスト版のような流れになってしまい、全編予告編のような感があったのが残念である。当然ながら引き込まれるようなストーリー展開も皆無だし、福島正則などの極端なおふざけ場面の挿入にも白けてしまった。
それから有村架純は客寄せパンダ以外の何物でもなく、彼女の役柄も全く不要である。どうせ女性を描くならば、淀君と北政所の確執をもう少しいやらしく描いて欲しかったな。そのあたりがイジイジと喰い足りないのだ。どうせクライマックスの戦闘部分は、金がかかる割につまらないのだから…。
あと一番いけないのが、音声の収録の仕方なのか、俳優の発声方法がまずいのか、早口で低音部分が良く聞こえなかったことである。超大作なのだから、音声もしっかり収録しなくては失格だぜ。
とにかく大金を使った割には、出来の悪い作品にしか仕上げられなかった。全ては監督の力不足の結果なのであろうか…。いずれにせよこんな映画しか創れないから、だんだん時代劇が衰退してしまうのかもしれない。ただしだんだん老け顔になる秀吉のメーキャップ技術の秀逸さと、北政所を演じたキムラ緑子の怪演振りには拍手喝采!だということを付け加えておきたい。
作:蔵研人
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