世界で一番いとしい君へ
★★★★
製作:2014年 韓国 上映時間:117分 監督:イ・ジェヨン
テコンドー選手である高校生ハン・デスと、アイドルを目指すチョン・ミラは運命的な出会いをして恋に落ちる。そして17歳という若さで子供ができ、周囲の反対を押し切り、何もかも捨てて結婚してしまう。
ところが生まれ出た息子のアルムは、急速に老いる早老症という難病を抱えていた。この早老症とは、老化の徴候が加速され、全身にわたってみられる疾患の総称である。また代表的な外見の変化として、白髪、脱毛、禿頭、尖った鼻、小顎、音声の異常、四肢末梢の皮膚の萎縮、硬化などが挙げられている。
16歳になったアルムの場合、外見は皺くちゃで剥げ頭の小学生のように見えるのだが、老化した骨や臓器は80歳を超えていた。そして余命は「早ければ1か月、長くて2か月だろう」と、主治医に告げられるのだった…。
これまでに「難病もののラブストーリー」は、お腹一杯になるほど上映されているが、子供の難病それも奇病ものの映画は数少ないだろう。それにアルムの場合は、他の少年たちにバカにされたり、自分の死が残り少ないのを知っても、それほど動揺しないばかりか、泣き崩れる父親を諭すくらい冷静で美しい心の持ち主なのである。
そうこの作品全体に流れる感動せせらぎの根源は、このアルムのしっとりとする清楚な優しさと、その裏にある深い悲しみにうずくまるこころの葛藤なのだ。
テレビ局やメル友の身勝手な行動、だがそれは友情と非情の諸刃の刃でもあった。結局最終的なアルムの心の拠り所は、父と母だけだった。そして父は父になって初めて、自分の父の深い愛を知ることになる。とにかく泣いた、とてつもなく涙が溢れた。これは悲しみの涙でも喜びの涙でもない、人が人として生きるための涙なのだ。
評:蔵研人
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