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2022年4月の記事

2022年4月26日 (火)

異聞猿飛佐助

★★★
 
製作:1965年 日本 上映時間:100分 監督:篠田正浩
 
 この映画の題名と主演が高橋幸治だったことだけは微かに覚えている。ただこの映画を過去に観たことがあったのか、それとも気になっていただけなのかは定かではない。いずれにせよ、今頃になってHULUの新着作品となったので、大喜びで飛びついてしまった。
 
 オープニングの関ヶ原の合戦や柳生一族の忍者狩りのシーンはなかなか見応えがあったのだが、そのあとはただなんとなくダラダラとしたシーンが続き、誰が敵なのか味方なのかもよく分からない展開にイライラしてしまう。さらに佐助の戦いもほとんどが剣による戦いであり、忍者というより剣術者といった趣だ。まあ事実に拘ったのかもしれないが、映画としての迫力には欠けてしまったようだ。
 
 クライマックスの見所は終盤の丹波哲郎・佐藤慶との対決シーン、それとおまけの吉村実子との混浴シーン(笑)くらいかな。それにしてもラストの石原慎太郎様登場シーンは、一体何だったのだろうか。
 
評:蔵研人

 

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2022年4月22日 (金)

マイ・マザー

★★★☆
 
製作:2009年 カナダ 上映時間:100分 監督:グザヴィエ・ドラン
 
 ケベック州の退屈な町に住む17歳の少年ユベールは母親と二人暮らし。だが彼は母親のセンスのない服装や、度重なる小言など、彼女の全てが気に障り、その愛憎が捻じれた感情に振り回され、いつも口論となってしまうのだった。だからと言って彼は母親が大嫌いなわけではなく、心の底では深く愛しているのであった。どうも二人の会話にはすれ違いが多く、お互いに愛し合っているのにうまく表現できないもどかしさがある。
 
 最近はシングルマザーの話が多いよね。またこの作品に登場する父親は、子育てが苦手で息子に対する愛情も希薄なように感じられた。いずれにせよ父親の登場はおまけのようであり、何と言ってもこれはマザコンの話のようである。その証としてユベールがゲイであること、年上の女性教師に惹かれているが手出しはしないことだろうか…。
 
 それにしてもこの作品で主演・監督・脚本・製作の4つの仕事をこなしたグザヴィエ・ドランは、何と当時19歳だったと言うのだから、その恐るべき才能には脱帽するしかない。彼は現在32歳で俳優・映画監督・脚本家・映画プロデューサーをこなしており、いくつかの監督作品を世に出している。是非他の作品も味わいたいものである。
 
評:蔵研人

 

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2022年4月19日 (火)

ルース・エドガー

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:109分 監督:ジュリアス・オナー
 
 『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナーがメガホンをとり、2019年のサンダンス映画祭で絶賛を浴びたサスペンス系ヒューマンドラマである。また主要なキャストは、主人公のルースをケルヴィン・ハリソン・Jr、黒人女性教師をオクタヴィア・スペンサー、養父母をティム・ロスとナオミ・ワッツが演じている。
 
 オープニングは、17歳の男子高校生ルース・エドガーが、全校生徒の前でスピーチをしているシーンから始まる。彼はそこで先生や保護者に対しての感謝の意を伝え、全員に好感を持って受け入れられている。そうルースは、誰もが認める文武両道の超優等生なのだった。
 だが彼の両親は二人とも白人なのに彼の皮膚は黒い…。彼は白人夫妻の養子で、もちろん現在の両親は里親である。それに7歳までは戦場のエリトリアで育っている。そしてそのことに絡めて心配する教師のハリエットが、無断で彼のロッカーを開け、その中から危険思想論文と危険な花火を見つけてしまう。さらに不安を感じたハリエットは、ルースの母親にそのことを報告し、証拠物件を引き渡すのだが、このあたりからストーリーが急に重く深く沈んでゆくのである。
 
 超優等生と誰もが認めるルースだが、実は優等生は表の顔であり、裏の顔は得体のしれない悪魔と言うほどではないのだが、あの『エスター』となんとなく似ているよね。ということはある意味でホラーとも言えるのだが、実はもっと深い・重いメッセージが見え隠れしている。つまり表裏の顔が異なるのは彼だけではなく、教師も両親も二重構造であり、これを観ている観客の大部分も同じような資質を持っているかもしれないのだ。
 
 さらに真実よりもイメージや先入観で行動してしまう人間の愚かさや、黒人と黒人の中に渦巻く人種差別問題や、不妊と里親の問題なども漂ってくるではないか。なかなかテーマが豊富なうえに、重厚でのめり込んでゆくようなストーリー展開に惹かれてしまう。だがここまでのルースの過去に蓋がされていることや、なんとなく終盤の展開に後味の悪さを感じたところがモヤモヤしたままである。
 
 
作:蔵研人

 

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2022年4月14日 (木)

死神遣いの事件帖 傀儡夜曲

★★★

 
製作:2020年 日本 上映時間:90分 監督:柴崎貴行
 
 最初の15分くらい観て、余りにもくだらなくて進行が遅いので、途中で観るのをやめようかと何度も思った。だが一緒に観ていた者が「面白そう」と言うので、我慢して観ていたら、後半はおバカ感が薄まりだんだん面白くなってきた。
 
 キャストは知らない俳優ばかりだし、時代劇なのにキンキラキンの衣装や、現代風タメ語が飛び交うお子ちゃま向けの漫画のようであった。ただスピード感溢れる殺陣アクションは、『るろうに剣心』いや仮面ライダー系が大好きな人たちには受けるだろうね。
 
 ネットでの評価が異常に高いのが不思議だが、ネットでコメント書く人の年齢や趣向を考えると、そんなものなのかもしれない。まあたまにはこんなお気楽時代劇でも、時代劇が死滅して皆無になるよりはましかもネ…。
 
作:蔵研人

 

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2022年4月 9日 (土)

関ケ原

★★★
製作:2017年 日本 上映時間:149分 監督:原田眞人
 
 石田三成の視点から見た関ヶ原の戦いを描いた超大作時代劇である。また有利と思われた三成率いる西軍は、なぜ家康率いる東軍に敗れたのかを解説した映画と言っても良いかもしれない。
 
 最近はNHKでしか観られなくなった時代劇、それも超大作となれば是が非でも観たくなるものだ。そしてキャストも生真面目な三成に岡田准一、したたかな狸おやじ家康に役所広司、さらに有村架純、東出昌大、平岳大、滝藤賢一、松山ケンイチ、西岡徳馬などが脇を固めている。そんなわけで評価が低いことを知りつつも、この映画を観る羽目になったのである。
 
 ところがこれだけの超大作を2時間半にまとめたため、「関ケ原までの歴史」ダイジェスト版のような流れになってしまい、全編予告編のような感があったのが残念である。当然ながら引き込まれるようなストーリー展開も皆無だし、福島正則などの極端なおふざけ場面の挿入にも白けてしまった。
 それから有村架純は客寄せパンダ以外の何物でもなく、彼女の役柄も全く不要である。どうせ女性を描くならば、淀君と北政所の確執をもう少しいやらしく描いて欲しかったな。そのあたりがイジイジと喰い足りないのだ。どうせクライマックスの戦闘部分は、金がかかる割につまらないのだから…。
 
 あと一番いけないのが、音声の収録の仕方なのか、俳優の発声方法がまずいのか、早口で低音部分が良く聞こえなかったことである。超大作なのだから、音声もしっかり収録しなくては失格だぜ。
 とにかく大金を使った割には、出来の悪い作品にしか仕上げられなかった。全ては監督の力不足の結果なのであろうか…。いずれにせよこんな映画しか創れないから、だんだん時代劇が衰退してしまうのかもしれない。ただしだんだん老け顔になる秀吉のメーキャップ技術の秀逸さと、北政所を演じたキムラ緑子の怪演振りには拍手喝采!だということを付け加えておきたい。
 
 
作:蔵研人

 

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2022年4月 4日 (月)

世界で一番いとしい君へ

★★★★
製作:2014年 韓国 上映時間:117分 監督:イ・ジェヨン
 
 テコンドー選手である高校生ハン・デスと、アイドルを目指すチョン・ミラは運命的な出会いをして恋に落ちる。そして17歳という若さで子供ができ、周囲の反対を押し切り、何もかも捨てて結婚してしまう。
 
 ところが生まれ出た息子のアルムは、急速に老いる早老症という難病を抱えていた。この早老症とは、老化の徴候が加速され、全身にわたってみられる疾患の総称である。また代表的な外見の変化として、白髪、脱毛、禿頭、尖った鼻、小顎、音声の異常、四肢末梢の皮膚の萎縮、硬化などが挙げられている。
 16歳になったアルムの場合、外見は皺くちゃで剥げ頭の小学生のように見えるのだが、老化した骨や臓器は80歳を超えていた。そして余命は「早ければ1か月、長くて2か月だろう」と、主治医に告げられるのだった…。
 
 これまでに「難病もののラブストーリー」は、お腹一杯になるほど上映されているが、子供の難病それも奇病ものの映画は数少ないだろう。それにアルムの場合は、他の少年たちにバカにされたり、自分の死が残り少ないのを知っても、それほど動揺しないばかりか、泣き崩れる父親を諭すくらい冷静で美しい心の持ち主なのである。
 そうこの作品全体に流れる感動せせらぎの根源は、このアルムのしっとりとする清楚な優しさと、その裏にある深い悲しみにうずくまるこころの葛藤なのだ。
 
 テレビ局やメル友の身勝手な行動、だがそれは友情と非情の諸刃の刃でもあった。結局最終的なアルムの心の拠り所は、父と母だけだった。そして父は父になって初めて、自分の父の深い愛を知ることになる。とにかく泣いた、とてつもなく涙が溢れた。これは悲しみの涙でも喜びの涙でもない、人が人として生きるための涙なのだ。
 
評:蔵研人

 

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