ブリット=マリーの幸せなひとりだち
★★★☆
製作:2019年 スウェーデン 上映時間:97分 監督:ツヴァ・ノヴォトニー
珍しいスウェーデンの映画である。主人公は60代のおばちゃん、というところが米国映画では観られない新鮮さを醸し出している。
簡単に言えば、年取った専業主婦が夫の浮気に切れて、家出してしまうというお話だ。ただ家出先が何ともユニーク、というよりありえねー。サッカーのサの字も知らないおばちゃんが、小さな田舎町でユースセンターの管理人兼、子供たちのサッカーのコーチ役をするというのである。
この話の流れは荒唐無稽で退屈感さえ漂うのであるが、「存在の証明」はなかなか興味深いテーマかもしれない。子供の頃は姉に憧れ姉の真似ばかりしてきた。そして結婚後はいくら尽くしても、反応の少ない夫を支えて、家事に追われるだけの毎日を淡々と過ごしてきた。
そんなある日、目の前で暴露してしまう夫の浮気に、休火山がたちまち大爆発を起こしてしまう。それは彼女の意識改革、自立の芽生えだった。もちろん夫の浮気は許し難いのだが、それは彼女にとっては単に「自立スイッチ」だったのかもしれない。
だが「ひとりだち」と言っても、職業経験ゼロの年老いたおばちゃんに出来ることは限られている、という厳しい現実が立ち塞がっている。サッカーの素人コーチ役も限界、地元の警官との恋も長続きするのか疑問、だからと言って迎えに来た旦那のもとに戻るのも癪だ、…結局彼女の最終選択は何だったのだろうか。
それは長年の夢だったパリで、エッフル塔を見ながら観客とともにゆっくり考えることにしよう。
評:蔵研人
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