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2022年2月14日 (月)

アルキメデスの大戦

★★★★
 
製作:2019年 日本 上映時間:130分 監督:山崎貴
 
 原作は三田紀房のコミックで、日米戦争突入直前の海軍内部の内輪もめ話である。役に立たない巨大戦艦大和に憑りつかれた造船中将平山忠道に対し、これからは航空機が中心になるので航空母艦を建設すべきとする山本五十六。そして余りにも安すぎる平山の見積もりに疑問を感じた山本は、天才数学者・櫂直を軍に招き入れる。その狙いは、彼の卓越した数学能力をもって、戦艦大和建造にかかる費用を試算し直して、計画の裏に潜む軍部の陰謀を暴くことであった。
 
 ところが軍部の規制により、設計図も見積書も何もない状態で、たった二週間後に答えを出さなくてはならない。さらに途中で平山陣営の嫌がらせが入り、急に期限が短縮されてしまうのだ。
 さてこの超難問に櫂直はどのように対処し、どのような答を導き出すのだろうか。それが本作最大の見どころである。と言っても歴史的には戦艦大和は建造されている、だが主人公が負けるはずがない。従ってこの辻褄の合わない答えを、どのようにひっくり返すのだろうか、という結末も見所なのである。
 
 ところでCGの出来は今一つの感があったが、戦艦大和に憧れていた山崎貴監督が描いた戦艦大和の巨大な雄姿と、あっと息をのむ沈没シーンは実に見事で見応えがあった。それにしても、巨額の税金を使って無理矢理建造した戦艦大和が、ほとんど無抵抗のまま3,000余名の人名とともに海の藻屑と化してしまった歴史は皮肉としか言いようがない。
 
 本作の主演は天才数学者・櫂直を演じた菅田将暉であり、脇を舘ひろし(山本五十六)、柄本佑(田中正二郎)、浜辺美波(尾崎鏡子)、笑福亭鶴瓶(大里清)、小日向文世(宇野積蔵)、國村隼(永野修身)、橋爪功(嶋田繁太郎)、小林克也(大角岑生)、田中泯(平山忠道)などが固めている。ちなみにこの中で実在した人物は、山本五十六、宇野積蔵、永野修身、嶋田繁太郎、大角岑生だけであり、どこまでが史実なのかは不明である。
 ただ本来もう少し光っても良い山本五十六役の舘ひろしの影が薄く、やけに平山忠道を演じた田中泯の存在感が大きく感じた。これはまさに個性と演技力の差なのであろうか…。
 
 
作:蔵研人

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