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2022年1月29日 (土)

ジュディ 虹の彼方に

★★★★
製作:2019年 米国 上映時間:118分 監督:ルパート・グールド
 
 『オズの魔法使』『スタア誕生』で知られる女優で歌手のジュディ・ガーランドの波乱の半生を描いた伝記ドラマである。本作では47歳の若さで亡くなる半年前に行ったロンドン公演でのジュディの行動を中心に、若かりし頃の回想を織り込みながらじっくりと描いて行く。
 
 ジュディ・ガーランドは、1941年に作曲家のデヴィッド・ローズと結婚する。また翌年妊娠したのだが、当時カリフォルニア州では違法だった堕胎手術を受けている。そして1943年に離婚。さらにこの頃から神経症と薬物中毒の影響が表面化し始め、撮影への遅刻や出勤拒否を繰り返すようになってしまう。
 その後自殺未遂を繰り返しながらも、『スタア誕生』で銀幕復帰し、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。そしてアカデミー主演女優賞にもノミネートされている。ただ相変わらず奇行と自殺未遂を繰り返し、私生活は荒れ果てて通算5回の結婚を重ねたようである。
 
 この難しいジュディの役柄をレネー・ゼルウィガーが実に巧みに演じている。また演技だけではなく歌唱力も抜群でなくてはならない、そのうえ彼女自身の女優人生も、ジュディとぴったり重なっているようだ。だからまさにこの役をこなせる者は、彼女以外にいないだろう。そしてラストステージでの彼女の歌と演技と存在感には、思わず感動で涙ぐんでしまった。もちろんその後彼女は本作で、当然の如く第92回アカデミー賞主演女優賞を受賞している。
 
 さて結局薬物依存で若くして亡くなってしまったジュディであるが、子役のころから期待され続けこき使われ覚せい剤漬けで、ぼろきれの様になっていたのかもしれない。日本にも美空ひばりや江利チエミなど、似たような境遇の歌手兼女優がいたが、華やかな芸能界の裏ではこのような「地獄」も併存しているのであろうか…。
 
 
評:蔵研人

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