ザ・コンサルタント
★★★★
製作:2016年 米国 上映時間:128分 監督:ギャヴィン・オコナー
原題は『THE ACCOUNTANT』(会計士)なのに、なぜ邦題は『ザ・コンサルタント』になってしまったのだろうか。そもそも主人公のクリスチャン・ウルフはアスペルガー障害でとてつもなく数字に強い。だから数字を扱う会計士の仕事をしているのだから、わざわざコンサルタントという邦題に変更する必要はなかったと思うのだが…。もしかするとアカウンタントでは馴染みがないし、「会計士」と翻訳すると堅苦しく感じるからかもしれないね。
まあそんなことはどちらでも良いのだが、ズバリ内容のほうはとても素晴らしかった。それは主人公のクリスチャンが、表の顔が会計士で難解な企業不正を天才的な調査能力で暴き、裏の顔では超人的な格闘術と射撃力で悪人たちを退治する凄腕の暗殺者という二つの顔を持っているからである。
これらの能力を具体的にまとめると、15年間の膨大な帳簿から1夜にして不正を読み取る数学脳、超長距離からでもライフルで射止められるゴルゴ13的狙撃力、相手の行動を先読みし瞬時に対抗策を講じる予知能力、死んだ標的にもダメ押しのトドメを刺す完璧主義、などなどきりがない。そして常にクールで用心深いのだが、身の危険を顧みず善人を助ける優しさも身についている。
今回の話の内容は、小さな町で会計士として働くクリスチャンのもとに、ある大手企業からの財務調査のオファーが寄せられるところから始まる。彼はその調査をなんと一日で済ませて、重大な不正を発見することになる。ところがなぜか、依頼は突然取り下げられてしまう。最後まで完璧に終わらせないと気の済まないクリスチャンなのだが、それ以降に身の危険を感じるようになる。…そして悪人たちとの戦闘という展開である。
まあこれだけの話なら必殺仕事人のような話なのだが、なぜ彼が超人的な力を得ることが出来たのか、AIのような声で彼に指令を出しているのは誰か、子供のころにいつも一緒だった弟は何をしているのか、なぜ潰れた水筒を持っているのか、なぜ財務省捜査官は部下に彼の身元調査をさせたのか、などなどいろいろな謎の伏線が張られているのだが、それらの全てがラストまで解明されてゆく。
人によっては分かり難い作品に感じるかもしれない。だがスカッとするアクションに、奥行きのある脚本が絡んだ味わい深い作品であることも否めないだろう。また主人公のクリスチャンを演じたのは、バットマンを演じたベン・アフレックで、さすがその逞しい肉体に加えスピード感のあるシャープなアクションには魅入られてしまった。
これだけ綿密に編まれた作品を一回限りで終わらせるのはもったいない。それに経理部のダナや捜査官のメディナ、それに弟との関係も中途半端なままだし、これは続編というよりシリーズ化するべきだと思っていた。
そうしたらその続編が製作されることが先日発表され、なんと三部作になる予定らしい。これも本作が大ヒットしたからに違いない。
評:蔵研人
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