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2021年11月14日 (日)

ワールド・ウォー Z

★★★

製作:2013年 米国 上映時間:116分 監督:マーク・フォースター
 
 人間を凶暴化させる未知のウイルスが、あっという間に世界中に蔓延する。そんな悪条件の中で、その感染原因と予防方法を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる。主役は世界各地を駆け巡る元国連捜査官ジェリーを、ブラッド・ピットが演じてハラハラドキドキさせてくれる。
 ただジェリーはスーパーヒーローではないし、火器や格闘技の専門家でもない。彼は国際間紛争の解決や危機回避が専門であり、鋭い観察力と注意力を駆使して難局に立ち向かうだけである。従って『バイオハザード』のような派手なアクションシーンは期待してはいけない。

 ここまで書けば気が付いたと思うが、未知のウイルスに感染した者はゾンビになるのだ。タイトルのZがそれを示唆しているのだろう。それにしても『バイオハザード』以来、ゾンビ達の動きがもの凄く速くなっている。本作のゾンビなどはまさに稲妻ゾンビで、超人のような速さで、蜂のように群れて、熊蜂のように執拗に襲いかかってくるのだ。
 とにかく彼らに一度気付かれたら、ほとんどの人間は助からない。だが流石のゾンビたちにも弱点があった。それが本作の唯一の救いなのである。

 本作では通常のエキストラ実写に加えて、かなり凝ったCG映像が採用されており、もの凄い数のゾンビたちを大迫力で克明に描いている。またゾンビが人間を襲って肉を食いちぎり血だらけにする、というような残酷シーンは極力抑えられている。従ってスプラッター映画が苦手な人でも安心して楽しめるだろう。
 ただパニック映画だからと言えばそれまでだが、テンポは良いものの、ほとんどストーリーが無いのが悲しいね。それに颯爽と登場したウイルスの世界的権威である博士が、いとも簡単に死んでしまったのも理解できない。逆に言えば彼は何のために登場したのだろうか。その他にも突っ込みどころが満載なのは、多分脚本家が不勉強だったのだと考えたいね。


評:蔵研人

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