君に出会えた4%の奇跡
著者:広瀬未衣
恋人と婚約した灯里が、京都の実家で高校時代に書いた若草色の日記を見つけた。だがそこに書いてあるべきある人の名前が空欄になっている。また物置で探した手作りの小さな提灯には、薄っすらと「コウ」と書かれた跡があった。
物語の大部分は、そのコウなる謎の人物が現れる満月の4日間の出来事に終始する。その4日間の青みがかった月をブルームーンと呼び、過去へ行けるという奇跡が起こるという。
まさに少女漫画をそのまま小説にしたような恋愛ファンタジー小説である。ただ理想の男性像のようなコウ君は、なんだか無機質の幽霊みたいで物足りないし、ストーリーにも全く幅が感じられない。また最終章の種明かしにも、余り工夫がなかったのが残念である。
京都の古い街並みや観光地の情景描写が、なかなか幻想的で美しく綴られているので、女子学生たちには楽しめるかもしれない。だが人間描写やストーリーの奥行きが薄いため、大人たちが読んでも、まず感情移入することはあり得ないだろう。
評:蔵研人
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