ロスト・ボディ
★★★☆
製作:2012年 スペイン 上映時間:111分 監督:オリオル・パウロ
珍しいスペイン発のサスペンス・ミステリーである。殺害された疑いのある死体が死体安置所から忽然と消えてしまう。また唯一それを見たと思われる警備員もトラックと衝突して意識不明状態が続く。
一体誰が何のために死体を盗んだのか。それとも死体は死んだふりをしていたのだろうか…。答えはこの二つのうち、いずれか一つであることは間違いない。いずれにせよ、殺人または殺人未遂を遂行した犯人はすぐに判明し、警察官に拘束されてしまう。だが死体を盗んだのは彼ではないようだ。では誰が何のために死体を盗んだのであろうか。物語の焦点はこの一点に集中するのだが…。
警察に拘束されたのは、死体になった製薬会社女性会長の夫で妻よりもかなり若い。そしてやきもち焼の妻に隠れて若い女性と浮気をしているのだ。そして妻がだんだん邪魔になってきたのだが、浮気をして離婚すると妻の財産を一銭も手にすることが出来ない。それで絶対にばれない方法で妻を殺害すれば、巨額の財産が手に入り恋人と水入らずで暮らせる…と考えたのである。
なかなか良く出来た脚本で、グイグイと観客を引っ張ってゆき、ラストにアッと驚くどんでん返しもしっかり用意されている。だからネットでの評価もかなり高い。
だが余りにも良く出来過ぎていて…と言うよりまるで整形美女のような型に嵌った脚本と、ご都合主義で不自然な後付けトリックも、いま一つ説得力に欠けていたような気がする。
またオープニングで登場した姉妹たちはそれっきりだし、舞台がだんだん小さくなって登場人物も限定的に絞られてしまったのも中途半端な気がした。いずれにせよ面白い映画であることは間違いないのだが、手放しで褒めちぎるほどの作品とも思えない。まあ死体安置所が舞台になっていても、『ジェーン・ドウの解剖』のようなグロさやエロさも少ないし、それほど恐怖感も煽られないので、女性でも安心して観ていられる作品と言えよう。
評:蔵研人
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