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2021年9月12日 (日)

トロッコ

★★★☆
製作:2009年 日本 上映時間:116分 監督:川口浩史

 日本映画だが、登場する日本人は夕美子を演じた主演の尾野真千子と子役2人だけ。あとはすべて台湾人なのである。それもそのはず、台湾人の夫の遺骨を持って、夫の実家での数日間を描いたヒューマンドラマだからである。原作はなんとあの芥川龍之介の同名短編小説で、それを現代の台湾を舞台に置き換えた脚本となっているのだ。

 登場人物も少なく、台湾の田舎村での小さな出来事を淡々と描いているだけの低予算映画である。だが何かが心の中に染み込んでくる。主役の夕美子をはじめ、義父母、義弟夫妻、さらに子供たちまでが、それぞれが葛藤に憑りつかれているのである。
 その中でも義父の悩みは重く深く、日本人にのしかかってくる。彼は第二次世界大戦で日本人に占領されたにも拘らず、日本人を尊敬し必死で日本語を覚え日本のために戦い、自らも日本人になりきろうと心底努力してきた。
 だが日本が敗戦するとそのまま切り捨てられて、いまだに年金も支給されず「ご苦労様」のねぎらいもないのだ。その悲しみを目の当りにしたら、なんだか日本人として申し訳ない気分で一杯になってしまった。

 そしてクライマックスのトロッコシーン。トロッコを押して山奥へ入ってゆく兄弟と、日本に憧れているお兄さん。奥へ進むとだんだん靄が濃くなってきて弟が泣き出して走り去ってしまう。それをなだめながら追いかける兄。結局帰り道は延々と線路伝いに二人だけで泣きながら帰路に就くことになる。
 このあたりの風景描写は実に美しい。また夕暮れに二人の物悲しさが漂うようだ。さらにこのあとは、誰もがあの日あの時を思い出して、感動の涙に溺れてしまうことだろう。

評:蔵研人

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