無垢なる証人
★★★★☆
製作:2019年 韓国 上映時間:129分 監督:イ・ハン
実力はあるのだが、良心を捨てきれないため出世街道から外れ、質素な生活に甘んじている弁護士のスノ。だが父親が友人の保証人になったため借金を抱えることになり、より給料の良いイケイケの大手弁護士事務所に移籍することになる。
ただこの事務所は、弱者救済を軽視して企業の利益だけを追求する事務所で、スノも現実の波にのまれて信念と情熱を見失いつつあった。そんな彼の変化を察知した恋人からは「人が変わってしまった」と、愛想を尽かされてしまう始末。そんなある日、彼はある殺人事件の国選弁護人に指名される。
被害者はウンテクという老人で、容疑者は長年ウンテクの家政婦を務めていたミランという女性だった。ミランはウンテクの顔にビニールを被せて窒息死させた疑いがかけられている。ミランは弁護人のスノとの面会時に、「ウンテクは2年前に妻を亡くしたためか常に自殺願望があった」と話す。さらに自殺しようとしてビニール袋を被ったウンテクを止めようとしたが、死のうとしている者の怪力にはかなわず、とうとうウンテクはそのまま死んでしまったのだと聞かされる。
だがこのミランの言い分を覆したのが、向かいの家に住む自閉症の少女ジウだった。彼女はミランがウンテクにビニールを被せて殺したと証言したのである。しかしながら余り人前に出たことのないジウが、証人として出廷できるのだろうか。さらに自閉症の少女の証言能力が認められるのだろうか。本作ではこのあたりが最優先テーマになっているようだ。
「夢は弁護士になること。でも自閉症の自分には無理なのは分かっている。だからせめて証人になって世の中の役に立ちたい」ジウのこの言葉が胸に刺さって感動の嵐を呼ぶ。
結果は観てのお楽しみだが、終盤には感動の涙を流さずにはいられないだろう。本作では韓国映画特有のおふざけもないし、自閉症の少女ジウを演じたキム・ヒャンギのピュアな演技が光り輝いていた。いずれにせよ久し振りに良い映画に巡り会ったことに感謝したい。また余談であるが、弁護士スノを演じたチョン・ウソンが、まるで兄弟の如く福山雅治に似てるので驚いてしまった。
評:蔵研人
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