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2021年7月27日 (火)

閉鎖病棟 -それぞれの朝-

★★★★
製作:2019年 日本 上映時間:117分 監督:平山秀幸

 さまざまな過去を持つ患者達が入院している精神科病院でのお話である。患者全員が重い過去を引きずり、世間だけではなく家族からも疎まれ遠ざけられながらも、精一杯明るく生きて行こうとする患者たち。だがそんな平和な日常を一瞬にして破壊してしまった殺人事件。
 その犯行の原因を知っていたのは3人だが、それぞれがそれを公表できない事情があった。実に切ない、だがその切なさを乗り越えようとする前向きのエネルギーが、なんとラストの感動へと繋がって行くのだ。

 本作は山本周五郎賞に輝いた帚木蓬生の小説を映画化したもので、第43回日本アカデミー賞で優秀監督賞・優秀脚本賞(平山秀幸)、優秀主演男優賞(笑福亭鶴瓶)、優秀助演男優賞(綾野剛)、優秀助演女優賞(小松菜奈)の5部門で受賞している。ただ原作が1994年に出版された小説なので、時代背景にチグハグしたものが感じられる。また映画では笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈の三人に焦点を絞っているようだ。その三人を簡単に紹介すると次のようになる。

梶木秀丸(笑福亭鶴瓶) 過去に殺人罪で死刑執行されたのだが、執行後になんと存命という稀なケースのため、施設送りとなったが死刑の後遺症で車椅子生活を送っている。
塚本中弥(綾野剛) チュウさんと呼ばれ施設では人気者の好青年なのだが、突然発作が起こり「何かが聞こえてくる」とわめき散らす。
島崎由紀(小松菜奈) 病気というよりは、義父に犯されて妊娠し実母からも見放され、何度か自殺未遂を繰り返している悲しい少女。

 暗く切ない過去と現在を持つ人々。それにしても彼等に明るい未来はあるのだろうかを問う好作品である。ただやむを得ないのだが、台詞が少なくハッキリしないところが少々イライラしてしまうのだ。

評:蔵研人

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