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2021年7月 4日 (日)

男はつらいよ お帰り寅さん

★★★★
製作:2019年 日本 上映時間:116分 監督:山田洋次

 『男はつらいよ』シリーズ50作目の人間ドラマである。吉岡秀隆が演ずる満男が主人公なのだが、満男やさくらの回想シーンに渥美清演ずるところの寅さんが何度も登場する。この現代と懐かしい過去の映像を、実にタイムリーに無理なくマッチングさせた脚本には、山田監督の匠の技を感じてしまうことだろう。また古い映像を新しく焼き直した最新技術にも着目したい。

 さてストーリーのほうは、作家になった満男が初恋の相手イズミ(後藤久美子)と数十年ぶりに再会し、淡い恋心に染まりながら彼女との3日間を過ごすというお話である。寅さん似でお人好しの満男は、初恋相手のために3日の無償労働とガソリン代を提供し、さらにイズミの父親に2万円をむしり取られてしまう。でもラストにはその代償が得られるからいいか・・・。
 まあどちらかと言えば、ストーリーのほうはどうでも良く、若かりし日の寅屋の面々と、すっかり老け込んだ現在とのギャップと懐かしさを楽しむOB会映画と言ったほうが良いだろう。
 
 またラストには歴代のマドンナ達が次々と過去映像で登場するのだが、現在の老けた姿でも登場したのはリリー役の浅丘ルリ子と夏木マリの二人だけであった。それでもマドンナ以外のキャストでは、吉岡秀隆と倍賞千恵子をはじめ前田吟、佐藤蛾次郎、後藤久美子などが過去と現在の双方に出演している。いずれにせよ、過去の映像を観ながら昭和時代を懐かしく思い返し、感傷的になって思わず熱い涙をこぼしてしまう人も多いだろう。

 ある意味で本作は「満男はつらいよ」編であり、続編が創られても良いかもしれない雰囲気だ。なかなか良い出来の作品だったが、オープニングの桑田佳祐だけが意味不明で、場違いな感があったね。

評:蔵研人

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