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2021年6月 5日 (土)

キツツキと雨

★★★☆
製作:2011年 日本 上映時間:129分 監督:沖田修一

 キツツキは多分木こりのことだろう。雨はラストシーンを観れば分かるだろう。それにしても何気に豪華メンバーを揃えたものである。役所広司と小栗旬が中心人物なのだが、チョイ役で高良健吾、さらに超大物の山崎努も登場するのだ。

 ストーリーはあるようなないような感があり、ドキュメンタリー風にまったりと流れてゆく。舞台は岐阜の山間を走るローカルな明知線の沿線。山と川と温泉しかない山村での出来事である。
 ふとした弾みで、ゾンビ映画の撮影に巻き込まれてしまう木こりの岸さん。女房に死なれてから、自分の息子とは上手くいかず制御できない。その息子は仕事を辞め、なんと母親の三回忌を直前に控えているにも拘わらず家を出てしまう。
 
 息子は説得できなかったものの、息子と同年代で自信喪失気味の若い映画監督との接触は成功。そして木こりの仕事を放り出し、三回忌の準備も忘れて映画製作の手助けに夢中になる岸さん。
 一応コメディと言うことになっているのだが、苦笑いしか出てこないのだ。そして余りにも時間がゆっくりと流れてゆくため、なかなか本作の趣旨がハッキリと見えてこない。おそらく年代・環境・価値観が大きく異なる者同士でも、目的を共有すれば心を開けるようになると言うことなのだろうか。

評:蔵研人

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