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2021年5月 2日 (日)

エクソダス 神と王

★★★☆
製作:2014年 米国 上映時間:150分 監督:リドリー・スコット

 ぶっちゃけて言えば、リドリー・スコット版の『十戒』である。旧約聖書のストーリーなので、人間同士の戦闘だけではなく、神も登場するし数々の奇跡も描かれている。そしてクライマックスの海が割れるシーンを、引き潮と津波という現実的な映像に置き換えているところに、この作品の良心を感じた。

 それにしても最初から最後まで壮大なスペクタクルシーンの連続で休む暇がない。これこそが、劇場で観なければならない映画のお手本と言えよう。これも全てCGのなせる技であろうか。
 また配役の人選も本家『十戒』に負けず劣らず豪華である。『十戒』ではモーゼにチャールトン・ヘストン、そして義兄弟のラメシスにはユル・ブリンナーを配していたが、本作では前者を「ダークナイト」のクリスチャン・ベール、後者を「ゼロ・ダーク・サーティ」「華麗なるギャツビー」などのジョエル・エドガートンが演じている。

 さて本家『十戒』との違いは、かなり宗教色が薄れていること、モーゼ自体には奇跡を起こす力はなく、あらゆる奇跡は神の使いである子供によって引き起こされる。またクライマックスの引き潮も奇跡ではなく偶然なのかもしれない。つまり本作はより現実的なのである。
 これをどう観るかは人それぞれなのだが、ストーリーが分かりづらかったことと、『十戒』つまり十の戒めについての説明が、全くなかったのは如何なものであろうか。

評:蔵研人

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