日日是好日
★★★★
製作:2018年 日本 上映時間:100分 監督:大森立嗣
タイトルの日日是好日は映画では「にちにちこれこうじつ」と読んだが、本来は禅語の一つで「にちにちこれこうにち」が正しい読み方だという。
そして禅では、過ぎたことをいつまでも拘ったり、まだ来ぬ明日に期待したりしない。目前の現実が喜びであろうと、悲しみであろうと、ただ今この一瞬を精一杯に生きる。その一瞬一瞬の積み重ねが一日となれば、それは今までにない、素晴らしい一日になるはずである。という解釈らしい。
前半はお茶のお稽古ばかりで、お茶を知らない人にはかなり退屈だと思う。ただ不思議なことに、知らぬ間にだんだん茶道の世界に引き込まれてゆき、その雰囲気やこころに魅入られてしまうだろう。
ほとんどのめり込んだストーリーもなく淡々と年月が過ぎてゆく。その間に幾つかの悲哀に襲われるものの、ヒロインの心は茶道のこころに染まってゆくようだった。
主役の黒木華の演技はさすがなのだが、茶道の先生を演じた樹木希林のしっとりとした演技も心に染み込んでくる。そして彼女は本作が上映される1ヶ月前に、全身がんに冒されて75歳の若さでなくなってしまった。
いずれにせよ、こころが洗われる良い作品である。また悲しみや苦しみに遭遇した人は、是非本作を観て水の音や風の感触を感じながら、こころの洗濯をしてもらいたい。まさにそんな映画なのだ。
評:蔵研人
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