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2021年3月22日 (月)

婚約者の友人

★★★☆
製作:2016年 仏・独 上映時間:113分 監督:フランソワ・オゾン

 舞台は第一次世界対戦後のドイツ。ある日アンナは、美男の青年が戦死した婚約者の墓に花を添え、涙を流している姿を見てしまう。その青年アドリアンは敵国だったフランス人だったので、婚約者の父親は彼と話すことを拒む。だが何度か会っているうちに、だんだん誠実そうなアドリアンに心を開いてゆくのだった。
 そしてアンナと婚約者の両親達は、勝手に彼を息子の友人だと信じ込んでしまう。アドリアンからは、友人だとは一言も発していないのだが、皆が信じ込んでいるので友人のふりをしていたのだが、嘘をついているのがだんだん心苦しくなり、アンナにだけ真相を話すことになる・・・。

 この映画はモノクロシーンで始まる。多分モノクロ部分が過去の話で、現代に戻ったときにカラー化するのだろう思ったら、なかなかカラーに変わらない。それで今度は前編モノクロで構成されているのかと思い込んでいたら、なんと過去の話をするシーンで突如カラーに切り替わったのである。それでは、このままカラーが続くのかと思いきや、話が現代に戻った途端にまたモノクロに戻ってしまったのだ。

 ではもしかすると、すっきりしないが過去のシーンだけをカラーに染めたのかと考えたのだが、なんとそれもまた裏切られてしまった。現代シーンの中で、アンナとアドリアンが楽しそうに散歩しているシーンで突如カラー化してしまったのである。
 おいおい一体何なのだ!。昔の低予算エロ映画のパートカラーでもあるまいし・・・。それでストーリーよりも、モノクロとカラーの使い分けにばかり気になってしまった。もしかすると、この変化はその場の登場人物達の心象風景なのかもしれない。もちろん明るい気分のときがカラーで、暗い気分のときがモノクロなのだろう。

 アドリアンの正体は途中でなんとなく分かったのだが、さりげなく戦後の人種差別事情なども織り込まれており、前半はなかなか興味深い作品であった。ただアンナがフランスに行ってからの展開は、かなり無理があり今までの展開が空しくなるばかりである。
 そしてハッピーエンドでは無く、はっきりしない中途半端な結末。このあたりが、ヨーロッパ映画の芸術感なのかもしれないが、私的には余り好きになれない締めくくりであった。


評:蔵研人

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