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2021年3月 8日 (月)

8番目の男

★★★☆
製作:2018年 韓国 上映時間:114分 監督:ホン・スンワン

 2008年に韓国で導入された国民参与裁判制度(陪審員制)をテーマにした法廷サスペンス。タイトルの『8番目男』の意味は、8人制の陪審員で、連絡が付かずギリギリ陪審員に滑り込んだ青年のことである。

 彼は発明家なのだが破産寸前にもめげず、執拗に特許申請をしている明るく人柄の良さそうな好青年である。ただかなりこだわりが強く納得できないものは、安易に認めることが出来ない性格なのだ。そして本裁判を担当する裁判長も、なんと彼と同様にいい加減なところで納得することができない潔癖女性であった。
 この二人の発する周波のようなものが、簡単に終決するはずだった裁判を難解な方向へとねじ曲げてゆく。そしてラストは想像もしなかった結末へと進展してゆくのだ。

 控え室で陪審員同士が持論を展開するシーンは、なんとなく邦画の『12人の優しい日本人』と似ているのだが、まさかパクリじゃないだろうね。まあ本作は撮影場所が1か所では無く、あちこち移動してゆくので、部分的なオマージュなのかもしれない。
 ただプロである検察側は、控え室で素人の陪審員たちが証拠資料を見ただけで、判決がひっくり返る程度の捜査しかしていないのだろうか、と疑問が出てしまうところが残念である。

 さて「法は人を罰しないためにある」「疑わしきは被告人の利益に」という刑事訴訟法の原則を遵守する姿勢はご立派で感動的なのだが、それなら今頃になってこねくり回す大昔の「徴用工」や「慰安婦」に対する賠償判決は一体何なのだろうか。
 

評:蔵研人

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