記憶屋 あなたを忘れない
★★★
製作:2020年 日本 上映時間:105分 監督:平川雄一朗
原作はロンドン生まれの織守きょうやの小説『記憶屋』で、すでにシリーズで50万部以上を突破しているという。またその『記憶屋』は2015年に第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しているので、全然怖くないのだが一応ジャンルとしてはホラーということになるのだろうか。
主人公の大学生・吉森遼一(山田涼介)は恋人・澤田杏子にプロポーズするのだが、その翌日から急に連絡が取れなくなってしまう。数日後に駅で彼女を見かけて声をかけるのだが、彼女は遼一のことを全く覚えていなかった。その後遼一は、都市伝説になっている記憶を消せる「記憶屋」の存在を知る。そして幼馴染の河合真希(芳根京子)や先輩の高原智秋(佐々木蔵之介)らと一緒に、なぜ杏子が記憶を失ってしまったのかを追跡調査することになる。
そんなくだりでストーリーがはじまり、過去のフラッシュバックシーンを交えながら、こつこつと地味な調査が始まるのである。原作を読んでいないので小説との比較はできないのだが、映画のほうはいまひとつパッとしなかった。記憶を消すシーンもないし、記憶を消されるのは性被害に遭った女性ばかりで深みがない、また先輩の弁護士が本件にばかり関わっていて暇すぎるのも現実離れしている。結局は記憶屋の正体解明だけに焦点が絞られるのだが、途中でなんとなく分かってしまうし、記憶屋になった理由がかなり陳腐なので共感を得られない。
とにかくこうしたファンタジック系あるいはSF系の作品は、もともとの設定が荒唐無稽なので、それをいかに現実的に見せるかが勝負なのである。ところが本作にはストーリー展開にも映像的にも、ほとんどその努力が込められていないのだ。そのあたりの配慮がなさ過ぎるので駄作とまでは言わないが、観ても観なくてもどちらでもよい程度の映画で終わっているのが残念である。
評:蔵研人
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