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2021年1月28日 (木)

ラストレター

★★★★

製作:2019年 日本 上映時間:120分 監督:岩井俊二

 岩井俊二のまさに岩井俊二たる所以とも言えるピュアな作品である。きっと誰でも青春時代を思い出し熱い涙を流してしまうことだろう。
 結婚して子供が二人いる裕里(松たか子)は、姉の未咲の葬儀のあと、姉に代わって高校の同窓会に参加する。そこで姉の死を伝えようとしたのだが、同級生たちに未咲本人と勘違いされ、言い訳するタイミングを失ったまま退席してしまう。
 そのあとを追ってきたのが、初恋の相手であり姉にラブレターを書き続けていた小説家の乙坂鏡史郎(福山雅治)だった。二人はバス停で連絡先を交換するのだが、裕里のほうから住所を記載しない一方的な文通が始まるのであった。

 前半は裕里を演じる松たか子中心のちょっとユーモラスな展開が続き、文通の中で高校時代の思い出がフラッシュバックされてゆく。そして後半は福山雅治扮する乙坂鏡史郎が中心となって、未咲への強烈な思いが描かれてゆく。未咲の若いころと彼女の娘を演じるのはともに広瀬すずで、裕里の若いころとその娘を演じるのが、やはりともに森七菜という二重構造の面白い配役となっていて、初めは戸惑ってしまうかもしれない。

 またいつもかっこいい役回りが多い福山雅治が、眼鏡をかけた売れない小説家を見事に演じ切っていたのが印象深かった。ただ豊川悦司と中山美穂のコンビを登場させたのは、あまり意味がないというか、ストーリー構成に無理が生じてしまったようである。そのために単なる病死で良かったはずの未咲の死因が、うつ病による自殺という歪んだこじつけに頼らざるを得なかったような気がする。

 あまり意味のないこの二人をちょい役で登場させたのは、もしかすると監督の処女作『Love Letter』で主演をはった二人に対するオマージュなのか、あるいはちょっとした遊び心なのかは監督に聞いてみなければ分からない。だが私にはどうしてもここの部分だけが納得できなかったのである。それよりもなぜ鏡史郎と未咲が結ばれなかったかの説明シーンのほうがどれだけ良かったことか。そのために残念ながら満点評価を逃してしまった、という非常にもったいない作品である。

作:蔵研人

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