蜜蜂と遠雷
★★★★
製作:2019年 日本 上映時間:118分 監督:石川慶
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の音楽小説を実写映画化した作品である。時間的には若手ピアニストの登竜門である国際ピアノコンクールの予選と本選だけに特化して描かれている。ただ主な登場人物の過去を振り返る形で、彼等の葛藤や意気込みなどを鏤めながら進行してゆく。
その主な登場人物とは、母親の死から立ち直れず、長年ピアノから遠さがっていた栄伝亜夜(松岡茉優)、子持ちで年齢制限ギリギリの高島明石(松坂桃李)、優勝候補のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、謎の天才少年風間塵(鈴鹿央士)の4人である。それぞれの思いを秘めてステージにあがるのだが、果たして優勝の栄冠を勝ち取るのは誰なのだろうか。
もちろん優勝の行方も気になるのだが、本当の見どころは彼ら4人の迫力に満ちた演奏シーンにある。裏側では世界的なピアニストたちが、思い切り迫力満点の音を鳴らしているのだが、俳優たちのピアノ演技もなかなか侮れないのだ。
ドビッシーの「月の光」、ベートーヴェンの「月光」、バルトークの「ピアノ協奏曲第3番」、そしてこの映画のために書き下ろされたという藤倉大の「春と修羅」など。まさに観終わった後々まで心に鳴り響くような名演奏だった。そしてうっとりする様な美しい映像がそこに花を添えていたことも忘れない。
評:蔵研人
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