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2020年11月29日 (日)

鬼神の血脈

著者:榊原史保美

 本作は耽美的な雰囲気に彩られた伝奇小説と言って良いだろう。赤江瀑、半村良、高橋克彦などの影響を受けている作品と言えば分かり易いかもしれない。また古くは夢野久作、横溝正史、江戸川乱歩の流れを汲んでいると言っても良いだろう。

 ストーリーは大まかに四人の百目鬼一族によって紡がれているのだが、百目鬼一族を支えているのは九州の山村に住む百目鬼忍という美女だけなのだ。あとの三人は文楽界の超新星・鬼若こと久竹澄生と、刑事の片平壮介及び雑誌編集者の成見有介である。

 話は文楽界の内幕に始まり、名門・松上家の跡取りである九四郎の殺人事件によって幕が切って落とされる。その後片平壮介の捜査によって、事件の成り行きと関係者の洗い出しがはじまり、少しづつ鬼若の素性なども明かされてゆく。また同時進行の形で、成見有介の百目鬼一族取材の旅が始まるのである。

 伝奇あり、闇の世界あり、男色ありのミステリーなのだが、その追求が浅いためか、恐怖感やオドロオドロしさは湧かないしエロさも皆無だ。また犯人もすぐにバレてしまうし、どんでん返しもなくラストもあっけなさ過ぎる。
 どうも起・承・転・結の起と承ばかりにスポットライトを当て過ぎて、転がなくいきなり結となってしまう、というバランスの悪さが目立ってしまったようだ。言葉を変えていえば、女性作家特有の資料調査は十分なのだが、ストーリー展開の面白さが今ひとつということになるのだろうか…。

評:蔵研人

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