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2020年11月 8日 (日)

フラッシュバック

著者:テリー・ヘリントン  訳者:進藤あつ子

 現代女性が過去にタイムトラベルをして、そこで逢った男性と恋に落ちるというお話である。ストーリー構成としてはよくある展開でハーレクイン・ライブラリーなどには似たような小説が目白押しだ。
 私が読んだものでは『時の扉とシンデレラ』、『恋はタイムマシンに乗って』、『時のかなたの恋人』、『ハイランドの霧に抱かれて』、『時の旅人クレア』などなど書き出したらきりがない。また逆バージョンで、現代男性のほうがタイムトラベルして過去の女性と恋に落ちる話としても『ある日どこかで』、『ふりだしに戻る』、『七年後の恋人』などがある。

 と言うことでストーリー構成には、目新しさが認められない。ただ本作が他の作品と異なるのは、ヒロインがタイムトラベルするたびに体力を消耗し、もしかすると命を落としてしまうことになるかもしれない、ということなのである。この設定によって、読めば読むほどドキドキ・イライラが募り、早く先を読みたいという欲望に駆られて、あっという間に読破してしまうのだ。

 ヒロインのセアラは、目の前で事故死した老人マーカスの遺品を調べるうちに、セピア色に染まった過去の写真の中に、若き日のマーカスと自分自身を見つけるのである。もしかすると、セアラとマーカスは過去の世界で恋人同士だったのかもしれない・・・。
 そしてセアラは、屋根裏部屋で古い写真機を見つけ、そのシャッターを押すたびに過去にタイムトラベルをするのだが、双子の妹カレンに呼ばれると、また現代に戻ってしまうのである。だがまたマーカスに逢いたくなり、古い写真機のシャッターを押すのだった。
 その都度セアラはかなり体力を消耗し、昏睡と入院を繰り返すのである。つまりセアラが命を懸けなければ、マーカスに逢うことが出来ないのだ。果たして時空を超えて出逢った二人の、切ない恋は成就するのだろうか・・・。

 それにしても命をかけたセアラの激しい恋心は、一体どこから湧き出てくるのだろうか。何となく幽霊に魅入られた『怪談・牡丹燈篭』の世界を想像してしまった。この辺りの女心は「恋を忘れたおじさん」にはちょっと理解できない。だがきっと恋する若者たちの気持ちは、小説に近いのかもしれない。まあそれはそれとして、切ない中にも心温まるラストシーンは実に見事であった。

評:蔵研人

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