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2020年9月20日 (日)

しゃぼん玉

★★★★

製作:2016年日本 上映時間:108分 監督:東伸児

 直木賞作家・乃南アサの小説を基にしたヒューマンドラマである。強盗や傷害を重ねて逃亡中の青年・伊豆見(林遣都)が、宮崎県の山里に足を踏み入れ、バイク転倒で怪我をして動けないスマ(市原悦子)を助ける。
 どこにも行き場のない伊豆見は、スマの親切に甘え孫という形で一人住まいのスマの家に居座ってしまう。当初は毎日ごろ寝して、ブラブラしているだけの伊豆見だったが、山向こうに住んでいるシゲ爺の山仕事を手伝うことになる。

 最初は厳しいシゲ爺に鍛えられて、弱音をあげて逃げようとした伊豆見だったが、ギリギリのところで思いとどまっているうちに、なんとか慣れてくるのであった。間もなく椎葉村で年に一度の大行事『平家落人祭』の日が近づくにつれ、伊豆見はその準備も手伝うようになる。そこで村では珍しい若い美女の美和と知り合うことになる。

 さて本作では、村を取り巻く美しい大自然の描写に茫然としてしまうだろう。それもそのはず、宮崎県の北西部に位置するこの地域は、『日本三大秘境』と呼ばれ、椎葉村を含む9市町村(延岡市・日向市・門川町・諸塚村・椎葉村・美郷町・高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町)には多くの神話が残されており、『天孫降臨ひむか共和国』としての名称も知られているという。また映画の中で、市原悦子と林遣都が、ちびちびと晩酌をするお湯割りは、もちろん焼酎『天孫降臨』である。

 また都会では誰にも相手にされなかった青年が、村人たちの気安さと大らかさに、少しずつ心が癒されてゆく心象風景の変化も見所であろう。そして田舎の風景の中に、市原悦子のしみじみとした語り掛けがぴったりと嵌まっている。これが彼女の遺作となってしまったが、低予算ながらも観て損のない良作に仕上がっているので、未見の方は是非ご覧あれ。

評:蔵研人

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