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2020年8月14日 (金)

アンダー・ザ・ウォーター

★★★☆
製作:2017年 スウェーデン、デンマーク・フィンランド 上映時間:88分 監督:マックス・ケストナー

 珍しい北欧発のタイムトラベル系SF映画である。未来社会は薄暗いし全般的に地味で難解な映画なので、ハリウッド系のSF映画を期待すると失望するかもしれない。だが海に浮かぶタイムマシンや、未来に残る者と過去に跳ぶ者に分身するという発想は、いまだかつてなかったので新鮮に感じた。

 2095年。海面上昇で大陸は海に飲み込まれている。動植物は塩病にかかり絶滅していた。真水はぜいたく品である。今や時空移動が可能な時代。ただし実行できるのは量子網分離官(QEDA)だけである。彼らは2人に分裂でき現在と移動先とで繋がり合うのだ。

 という前置きでこの物語は始まる。主人公のファン・ルン大尉は、国防省の科学防衛の責任者である。時空移動を廃止するのが彼の任務だったが、秘密裏に量子網分離官(QEDA)となりふたりに分裂し、その一方が2017年へ時空移動を行った。その目的は海水を淡水化する研究データを持ち帰り世界を救うことであった。

 2017年で海水を淡水化する研究をしていたのは、モナという女性だった。ところが、なんと彼女は「ファン・ルンの妻の曾祖母」であった。そして彼女は飛行機事故に巻き込まれ、研究データも消えてしまうことになっていた。それでその前に、研究データの在り処を見つけて、それを未来に送るためにファン・ルンの分身がやって来たのだ。

 分身はそれなりに成果を上げるのだが、約束の時間を過ぎても未来に戻ってこないし、連絡も取れなくなってしまう。それに焦れたファン・ルンは、上司の反対を無視して、自らが2017年に時空移動をするのである。そこで彼が知ったことは・・・。

 なかなか見応えのある瑞々しい作品なのだが、一つだけはっきりしない部分がある。2017年に住む女性研究者モナのことである。本ブログでは、あえて彼女を「ファン・ルンの妻の曾祖母」と記したのだが、ネット評論の大半はなぜか「ファン・ルンの祖母」と説明しているのである。78年前だから、主人公とモナが同年代とし、約80歳の年の差があると考えれば、曾祖母と考えたほうがノーマルであろう。

 また映画の中では主人公がモナを見て、「お前のひいひいばあさん」とつぶやいているのだが、これも辻褄が逢わない。そしてお前のの、「お前」とは「妻よりも自分自身」を指しているように取れるので、モナのことを「ファン・ルンの祖母」と勘違いした人が多いのだろうか。
 ただそれだとモナとその娘が亡くなった瞬間にパラドックスが生じて、ファン・ルン自身も消失してしまうはずである。ところがファン・ルン自身はそのまま生き残り、自分の娘が描いたタトゥーだけが消えたのである。

 ということは、モナは「ファン・ルンの妻の曾祖母」でなければおかしいということになる。またラストシーンで、主人公が帰る場所がないと嘆いている。つまり帰りを待つ妻も娘も存在しないからである。
 さらにもしモナが自分自身の祖先なら、性的関係を結ぶはずもない。もしかすると「お前のひいひいばあさん」という字幕は、翻訳ミスだったのかもしれないね・・・。

評:蔵研人

 

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