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2020年7月の記事

2020年7月31日 (金)

サニー 永遠の仲間たち

★★★☆
製作:2011年 韓国 上映時間:124分 監督:カン・ヒョンチョル

 一流会社に勤める夫と、反抗期を迎えた高校生の娘イェビンの3人暮らしをしているイム・ナミ。実母が入院したと聞いて、病院へ見舞いに行く。その帰りに別の病室の入り口で「ハ・チュナ」という名札を見つけるのである。その名は高校時代の同級生の名と同じであった。

 実はチュナはガンに侵され、余命2か月と宣告されていた。ナミはチュナに何かして欲しい事はないかと尋ねる。するとチュナは、25年ぶりに『サニー』のメンバーと会いたいと言うのだ。サニーのメンバーとは、チュナが女番長格だった時の7人の仲間たちのことである。そしてここから物語は、過去と現在を行ったり来たりしながら、サニーのメンバー探しが始まるのである。

 高校時代と中年時代のサニーのメンバーたちは、全員別々の女優が演じているのだが、それにしてもよく似た女優たちを集めたものである。本作は女性版『スタンド・バイ・ミー』のような風味に加え、メンバー7人のミニ群像劇タッチの構成も面白い。ただマンガのような雑な演出が目立ったのが少し残念だったが、ラストのダンスシーンと音楽は実に素晴らしかったね。
 
 なお本作の日本版リメイク版として、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』という作品が2018年に製作されているという。私自身はまだ観ていないのだが、もしかすると25年前の懐かしい日本の風景と、馴染みのある日本の女優が演じる映画のほうが、日本人には感情移入しやすいかもしれない。機会があれば是非レンタルして、本作と比較してみたい気分である。


評:蔵研人

 

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2020年7月29日 (水)

メモリー First Time

★★★
製作:2012年 香港、中国 上映時間:103分 監督:ハン・イエン
 
 中国映画というより韓国映画という雰囲気である。難病もののラブストーリーで、中盤あたりでもうお腹が一杯だと感じ始めたのだが、後半になって「おやっ」と思うところがあった。なんと邦画の『カメラを止めるな!』と同様の『種明かし映画』ではないか!。従って公判では、前半に起こった出来事の裏側を順番に暴露する展開となる。

 ただこの映画はそれで終わりではなく、そこからもう一度本当のラブストーリーが始まるのである。さらにその先には切ないエンディングと、どんでん返しが待っているのだが、途中から全てが見え見えで退屈感を拭い切れなかった。
 ネットでの評価が高かっただけに、かなり期待して観たのだが、いまひとつ盛り上がりに欠けていて、自分には全く感情移入できなかったのが残念である。またそろそろ終わりかな、と思わせてなかなか終わらないラストもくど過ぎるよね・・・。

評:蔵研人

 

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2020年7月27日 (月)

10クローバーフィールド・レーン

★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:103分 監督:ダン・トラクテンバーグ

 家出して夜の田舎町を運転中に、スマホに気を取られるミシェル。そして何者かに追突され車が横転し、そのまま意識不明になってしまう。
 気が付くと地下牢のような場所で半裸にされ、点滴を打たれているミシェル。そして太腿に巻かれた革ベルトのようなものと手錠で、壁に繋がれているのだった。やっと意識を取り戻したミシェルがもがくのだが、どうにもならない。するとそのとき扉の鍵が開き、気味の悪い太った中年男が入って来るのだった。

 そこは地下シェルターで、外はエイリアンに侵略されて、誰も生きている者はいないと言う。また放射能で外気は汚れているため、数年間は外に出ることも出来ないのでここに居ろと言われる。嘘くさい話だが、もう一人監禁状態の男に、それは真実だと説得されるが、気分が悪くなるばかりで信じられないのだ。

 それにしても、主役のミシェルという女性は、どうしても中年男を好意を持てず信じられないようだ。この中年男はルールさえ守っていれば、乱暴もしないし思いやりもあるし、嘘ばかりついている訳でもない。それに地下シェルターには、食べ物も娯楽もあるのだが・・・。なぜ何度も危険を冒すのだろうか。どうも彼女は、この中年男にアレルギー感を抱いてしまうようである。

 登場人物は3人+1人+1匹と言えば良いのだろうか。あの『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編だと思っていたら、どうも趣が異なるようだ。ただ圧倒的なパワーを駆使する謎の生物が地球を襲い、人類を破滅へと導くという世界観だけが、前作と共鳴しているように感じるのである。
 
 ところが、少なくとも序盤から終盤まで、ずっと前述の監禁劇が延々と続いて行き、まさにC級ホラー映画そのものなのだ。この状態からやっと逃れたラスト15分前から、突如『クローバーフィールド/HAKAISHA』の世界とリンクしてゆくのである。そしてミシェルが、なんと「リプリー」に変身だぁー。
 それにしても、サイコパス、猟奇趣味、SF、怪獣などがごちゃ混ぜになった怪作であり、評価者泣かせの作品である。しかしながら、ワクワクドキドキ、謎の解明と、最後まで興味深く観ることが出来たのは拾い物かもしれないね。

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2020年7月25日 (土)

イップ・マン 葉問

★★★★☆
製作:2010年 香港 上映時間:109分 監督:ウィルソン・イップ

 前作ではイップ・マンをまるで神の如く描いていたが、本作では彼が背負うものはより重く、苦悩や人情も織り込まれている。さらに超人的な強さばかりではなく、かなり追い込まれるシーンもあるので、ハラハラドキドキ感も湧いてくるのだ。ことにボクシングのチャンピオンとの戦いでは、あの『ロッキー』のような感動の渦の中に巻き込まれてしまった。

 また前作では日本兵が敵役だったが、本作では英国がそれに代わっていたため、本気で中国側に肩入れすることが出来たのかもしれない。ラストに少年のブルース・リーが登場したのもお愛嬌であった。全く文句なく楽しめる作品に仕上がっている。あとは観てのお楽しみ。


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2020年7月23日 (木)

U.M.A レイク・プラシッド

★★☆
製作:1999年 米国 上映時間:82分 監督:スティーヴ・マイナー

 U.M.Aとは未確認動物のことだが、本作に登場するのはU.M.Aでもモンスターでもない。残念ながら、単に体長10メートルの巨大ワニである。ただ本作が創られてから、ワニパニック映画が目白押しとなったようだ。従ってワニパニック映画の元祖と言っても良いかもしれない。

 メイン州の湖で、ダイバーが謎の生物によって下半身を食いちぎられる事件が発生する。その遺体からは爬虫類の巨大な歯が発見された。それでニューヨークの博物館から、女性研究者ケリーが派遣され、密猟監視員のジャック、地元の保安官ハンク、ワニ愛好家で大富豪のヘクターらと共に調査を行うというお話である。

 U.M.Aらしきものは、なかなか正体を現さない。だが後半にやっと登場したかと思えば、なあーんだ「ただのバカでかいワニ」ではないか。このあたりで現実的な展開になり、少しずつ興味を失い始めてしまった。あとはどうやってこいつを退治するのか、ということだけである。

 それにしても、爬虫類の歯を見た時点でケリーの役割は終えているのに、キャーキャー騒ぎながらも、探検隊に参加する必然性が全く見つからない。単に色を添えただけなのだろうか・・・。
 またワニ愛好家と言う割には、全く役立たずで邪魔ばかりしているヘクターにもイライラが募る。ワニのクオリティーはまずまずだったし、B級映画も嫌いではないのだが、なにか物足りない気分のままエンディングを迎えてしまった。

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2020年7月21日 (火)

パラレルワールド・ラブストーリー

★★★
製作:2018年 日本 上映時間:108分 監督:森義隆

 原作となった東野圭吾の小説を読んだのは、もう20年以上前である。従って覚えているのは、冒頭での京浜東北線と山手線が並行して走るシーンだけなのだが、かなり面白く読ませてもらった記憶だけが残っている。
 だがなぜ今頃になって映画化されたのだろうか。と思いながらも、やはり好印象だった小説への想いに押されて、本作が観たくてたまらなくなったのである。

 ところが残念ながら、映画のほうはかなり期待外れだった。と言うよりは、なんだかよく分からないまま終盤に突入し、余りにも当たり前すぎる結末に拍子抜けしてしまったと言うべきかもしれない。やはり映像では単調になりがちで、小説だから面白かったのだろうか。或いはミスキャストによる消化不良だったのだろうか、はたまた私自身の感性の激変なのだろうか。それらを確認するには、もう一度小説を読み直してみるしかないよな…。

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2020年7月18日 (土)

世界一キライなあなたに

★★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:110分 監督:テア・シャーロック

 本作のストーリー自体は創作である。だがモチーフになったのは、全身麻痺になった英国の元ラグビー選手が、スイスの自殺幇助機関「ディグニタス」で安楽死を希望し、両親の許可を得て命を絶った…という実話らしい。
 
 超セレブな家に生まれ、若くして仕事でも大成功し、スポーツ万能、当然女性にモテモテなウィル。彼はある晩、土砂降りの中、タクシーを拾おうとしてバイクに轢かれて脊髄損傷に陥ってしまうのであった。
 一方で貧しい大家族の中で育ったルーは、6年間もカフェの店員をしていたのだが、店が廃業になり失業してしまう。生活に困ったルーが、求人センターである仕事を紹介してもらう。それは身体障害者の世話係だが、車の運転と食事の介助だけで高給を貰えるという。それを聞き、ルーはすぐに面接に行くのだった。

 そこでウィルとルーが初めて出逢うのであるが、最初ウィルはルーに冷たく接するだけであった。こんな偏屈で意地の悪いウィルに辟易し過去に4人の介護人が辞めていたのである。しかし生活のかかったルーは、必死で働き続けるしかなかった。
 そんな介護ワークが数日間続くのだが、ある日一緒にDVDを観たルーの感想が気に入ったのか、ウィルの頑なな心の襞もほぐれ始めるのである。

 こんなストーリー展開で、次第に二人は恋愛感情のようなものを抱き始めるのだが、ウィルは安楽死の選択を翻そうとはしない。一体どのような形で、二人の気持ちを収束するのだろうか。興味津々でスクリーンから目が離せないまま、意外な結末を迎えるのであった。
 
 キャストよし、映像よし、音楽よし、でほぼ満点に近い映画なのであるが、結末だけは賛否両論に分かれるかもしれない。それはそれとして、何と言ってもヒロインのルーを演じたエミリア・クラークの存在があってこそ、の映画だったのではないだろうか。決して美女ではなく、どちらかと言えばチビで小太りのスタイルなのだが、彼女の全身からほとばしる人間力が半端ではないのだ。そしてあの眉毛の下がった表情こそ、私の理想の女性像と重なってしまうのである…。

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2020年7月16日 (木)

イップ・マン 序章

★★★★
製作:2008年 香港 上映時間:105分 監督:ウィルソン・イップ

 実在の武術家であり、あのブルース・リーの師匠だった葉問(イップ・マン)の半生を描いた映画である。中国武術『詠春拳』の達人と伝えられ、実力だけではなく、人格的にも優れており、多くの人々の尊敬を集めていたという。

 主演のドニー・イェンの母は、『麥寶嬋太極協會』創始者として知られる武術家であり、彼は9歳から母に武術を学んだ。その後『妖怪道士』という映画のスタントマンとして参加し、1984年の『ドラゴン酔太極拳』で香港映画界にデビューしたと言う。従ってイップ・マンとしての武術アクションも、ド派手さは薄いものの本格的かつ実践的であった。また本作ではアクションだけではなく、演技力のほうも認められ『香港電影金像奨』の主演男優賞にノミネートされたらしい。

 アクション良し、主役良し、映像良しの本作であるが、イップ・マンが余りにも聖人ぶっていて、強過ぎるところが誇張され過ぎではないだろうか。また時代的に仕方ないとはいえ、日本軍が悪者として描かれているところが、日本人としてはやや面白くなかったかな・・・。それ以外は文句の付けようのない作品であった。

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2020年7月14日 (火)

隠された時間

★★★★
製作:2016年 韓国 上映時間:130分 監督:オム・テファ

 母親が事故死して義父と一緒に離島で暮らすことになった小学生少女スリンは、新しい学校に馴染めず変人扱いされていた。ただ両親を亡くし施設に入所している少年ソンミンとだけは心を通わせることが出来た。
 ある日ソンミンの友達と一緒に立入禁止区域内にある洞窟に潜入し、そこで奇妙な卵のようなものを見つけるのだが・・・。スリンが洞窟から戻る前に、3人の少年たちがそれを割ると時間が止まってしまうのであった。

 数日前にやはり時間が止まってしまう『初恋ロスタイム』という邦画を観たばかりである。しかしながら、映像の美しさ、時間が止まった風景、綿密に練り込まれた脚本と、どれをとっても本作のほうが断トツに優れているではないか。
 さらに本作では時間を取り戻した後の「浦島太郎状態」がメインテーマであり、ファンタジーでありながら、世間での現実的かつ常識的な対処と主人公とヒロインの葛藤を巧みにブレンドしている。まさにこの分野では、韓国映画の面目躍如と言ったところだろうか。ただ穏やかでリリカルなラストシーンも悪くはないのだが、余りにも切な過ぎて感動の涙を流せなかったことだけが心残りである。


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2020年7月12日 (日)

新エイリアン 最終繁殖

★★★
製作:2015年 米国 上映時間:85分 監督:グレッグ・キーファー

 原題は『THIRST』で「渇き」という意味だが、これではこの映画の中身が全く想像できない。そこで『新エイリアン 最終繁殖』という邦題をつけたのだろう。まさに邦題通りあの『エイリアン』のパクリなのだが、なんとご本家との差別化なのか怪物の姿は、下半身が犬のような四足歩行なのだ。そして上半身はエイリアンそのものなのだが、半分は機械でまるでロボットではないか。だが繁殖したりドロドロの液体を流したりするので、半機半獣と言ったところだろうか。

 登場人物は無名の俳優ほぼ10人少々、舞台は砂漠の中で、怪物のCG以外はほとんど金のかかっていないC級映画である。普通の人なら馬鹿々々しくて絶対に観ないかもしれない。だが私自身はこうしたC級怪物映画を観たくて、足繁くレンタルビデオ店に通った過去があった・・・。
 その中で今でも鮮明に記憶に残っている映画が、『デッドリー・スポーン(1983年製作)』と、『ザ・セラー 魔獣伝説(1989年製作)』の二作であり、本作と似たような作品であった。従って本作も、何となく評点が甘くなってしまったのかもしれない。

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2020年7月10日 (金)

のど自慢

★★★★
製作:1999年 日本 上映時間:112分 監督:井筒和幸

 毎週日曜日のお昼にNHKで放映されている、国民的かつ超・長寿番組である『のど自慢』。その予選・本番の晴れ舞台をめぐって、群馬県桐生市で繰り広げられる様々な人間模様を、笑いと涙で綴る群像劇である。

 のど自慢の裏方を覗けてなるほどと感じたが、懐かしい俳優と懐かしい歌謡曲も嬉しかった。また選曲もバッチグーで、ラストにおじいちゃんが歌う『上を向いて歩こう』は、ベリーグーである。映画が終わった後も、思わず口ずさんでしまった。

 室井滋演ずるところの、売れない演歌歌手・赤城麗子の悲しいドサ回りを中心に、何をやってもダメな中年男を支える愛妻と4人の娘たち。スナックを経営する母と姉の3人で暮らしながらも、いつも自分の気持ちを上手く表現できない女子高生の葛藤。突然息子夫婦がブラジル転勤となり、やっと心を開き始めた孫との淋しい別れを目前とした老人。などなど様々な人々が『のど自慢』に参加して、心の底から自分の想いを発散させるのである。

 序盤は今ひとつ盛り上がらなかったが、中盤過ぎにだんだん楽しくなり、ラストは明日からまた頑張って生きてゆこう、という気分にさせてくれる。さすが井筒監督らしい巧みな構成であった。

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2020年7月 8日 (水)

超高速!参勤交代 リターンズ

★★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:119分 監督:本木克英

 2年前に製作された『超高速!参勤交代』の完全続編で、ストーリーも出演者も前作を完璧に引き継いでいる。
 前作では、磐城国の湯長谷藩にある金山略奪を狙う老中・松平信祝の陰謀により、幕府は突然湯長谷藩に参勤交代を命じる。通常8日はかかる道のりを、5日で参勤せよとの無理難題を押し付けて、御家断絶を謀るのだった。

 しかし湯長谷藩には、時間も貯えもない。だがこの命令に逆らえば、藩は取り潰されてしまう。それでも藩主内藤政酵は諦めず、家臣の精鋭6人を引き連れて藩を出発する。途中で老中の雇った刺客に襲われるなど、数々のピンチに見舞われるのだが、奇想天外な知恵と工夫を凝らして、ついに江戸への参勤を達成してしまうのだ。その結果、松平信祝は一連の騒動を招いた罰として蟄居を命じられることになる。めでたし、めでたし。

 だったのだが、続編では復活した松平信祝が、尾張柳生一族を利用しながら、前回の復讐を実行するのである。なんと今度は松平信祝が放った刺客によって、湯長谷藩に一揆が起こったように仕掛けられるのだ。もし本当に一揆が起こり、それが公になれば今度こそ湯長谷藩は、取り潰しになってしまう。
 そこで現在江戸にいる湯長谷藩の藩主・内藤政篤と藩士たちは、公儀の奉行が来る前に一揆を収めようと、大急ぎで故郷の磐城国を目指して帰ることになるのである。その猶予は、な・なんと2日しかないのだった・・・。

 と言う訳で、前作は江戸への往路編で、本作は江戸からの復路編ということになる。まあ確かに前作同様面白いのだが、なにせ何から何まで前作同様で工夫がなさ過ぎる。だから本作が初見の人ならともかく、前作を見た人だと「もうお腹一杯だぁ!」となってしまうのだ。

評:蔵研人

 

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2020年7月 6日 (月)

明智光秀と斎藤利三

著者:山元泰生

 明智光秀については、本能寺で主君・信長を討ち、三日天下に終わった超・謀反人としか認識していなかった。ところがNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』を視聴し、文部両道である光秀の働きぶりや誠実な性格に触れるうち、だんだん彼に興味を持ち始めてしまった。それで手にしたのが本書である。
 
 著者の山元泰生氏は、早稲田大学第一文学部に学び、出版社で編集者として経験を積んだあとライターに転じ、広く新聞・雑誌で、国際問題、社会事件、歴史人物などの取材・執筆を重ねている。
 本書はその経験及び人脈を駆使し、美濃及び京畿の全域を取材、資料・文献の収集に努めて本書を書き上げている。そしてそれを小説風にまとめ上げているので、実に読み易いのである。
 
 これにより、これまで長年議論されてきた「本能寺の変」の真相が遂に明らかになった。それは単なる「怨恨」でもなければ「野望」でもなかった。比叡山の焼き討ち以来、相次いだ信長の非道・横暴と残虐行為に、「この天下を灰にしてはならない」と考え決意したのであった。それも光秀一人の判断ではなく、重臣・斎藤利三をはじめとする明智軍団の総意であったようだ。
 また巻末には、明智光秀の娘お玉(細川ガラシャ)と、斎藤利三の娘お福(春日局)についてのよもやま話が綴られているのもなかなか参考になった。

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2020年7月 4日 (土)

新しい人生のはじめかた

★★★☆

製作:2008年 米国 上映時間:93分 監督:ジョエル・ホプキンス

 原題は『LAST CHANCE HARVEY』、ハーヴェイはダスティン・ホフマン演ずるところの主人公の名前である。つまり単純に訳すと『ハーヴェイのラストチャンス』ということになる。またそのラストチャンスとは、仕事ではなくエマ・トンプソン演じるところのケイトとの老いらくの恋である。
 この映画の製作時には、ダスティン・ホフマンが70歳、エマ・トンプソンが49歳なのだが、ダスティン・ホフマンは10歳近く若く見える、逆に小太り気味のエマ・トンプソンは50代のおばちゃんに見えてしまった。もう少しダイエットすれば素敵な女優さんなので、それだけがちょっぴり残念でたまらない。

 離婚した妻との間に産まれた愛娘の結婚式に出るために、ロンドンにやって来たニューヨークのCM作曲家ハーヴェイ。そしてなかば人生を諦めて、気楽に生きることを選んだケイト。本作は空港のバーで偶然知り合った二人の心温まる交流をしっとりと描いている。
 ロンドンの美しい風景をバックに、年齢を重ねた二人の男女の葛藤と希望を、明るく爽やかに演じたダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンに拍手・拍手。長過ぎず短すぎず、悪人が一人も登場せず、濃厚なラブシーンも一切なしの「大人のラブストーリー」と言ったところであろうか・・・。

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2020年7月 1日 (水)

初恋ロスタイム

★★★

製作:2019年 日本 上映時間:104分 監督:河合勇人

 仁科裕貴の同名小説を原作にしたファンタジーロマンス作品である。主人公:相葉孝司は、ある日突然時間が止まるという現象に遭遇してしまう。ところが公園内で自分以外にもう一人、時間の動いている女子高生:篠宮時音に出会うことになる。時間が止まるのは、いつも12時15分から1時間だけであり、二人はこの1時間を『ロスタイム』・・・おまけの時間と命名した。

 そもそも孝司は何事にも消極的で、すぐに諦めてしまう無気力浪人生なのだが、時音と出逢ったことで少しずつ気持ちが変化してゆく。だが時音と逢えるのは、いつも時間が止まった1時間だけだった。それで孝司が「時間の動いている時にも逢おう」と提案すると、なぜか時音はあっさり断ってしまうのだった。そしてもう逢えないというのである。

 ここまで観て、これは面白そうな映画だと直感したのだが、残念ながらその後の展開が実に退屈であった。彼女が逢えないと断った理由は、ウィルソン病という難病に侵されて、あと半年しか生きられないからだったのである。
 なんとこの辺りから急にファンタジーロマンスが、難病ラブストーリーにチェンジリングしてしまったのだ。難病ものと言えば古くは、『愛と死を見つめて』、『ある愛の詩』、『世界の中心で、愛をさけぶ』などなど、もうお腹が一杯でこれ以上は食べたくないのである。

 また時々登場する竹内涼真が演じる青年医師の正体が、孝司が成長した姿なのかと思い込んでいたら全く別人であり、何気に拍子抜けしてしまった。そして彼と彼の妻は、孝司や時音と同じく「時間が止まる経験」をした過去を持っているというのだ。だこの青年医師:浅見一生は、映画だけのオリジナルで原作には登場していない。そして登場している意味も余り感じられなかった。

 それからせっかく時間が止まっているのだから、それを利用した出来事がトラックの事故回避だけだったのも淋しいよね。また私の好みかもしれないが、ヒロインがもう少し可愛いくて、逆に主人公がイケメンでなければ、もう少しのめり込むことが出来たであろう。だから本来大泣きするはずのラストシーンでも、なぜか一滴の涙も流れなかったのであろうか。

評:蔵研人

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