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2020年6月15日 (月)

MONSTERZ モンスターズ

★★☆
製作:2014年 日本 上映時間:112分 監督:中田秀夫

 韓国映画『超能力者』のリメイク版。相手を見つめるだけで思い通り操作できる男と、それが全く通じない男(主人公)との戦いである。序盤から中盤にかけてはなかなか面白かった。ところが、元々韓国のオリジナルが駄作だったのか、本作の脚本と演出の失敗だったのか、中盤から段々つまらなくなってしまった。と言うより馬鹿々々しくなってしまったのである。

 もしかすると、SF映画なのにホラー映画専門の中田秀夫監督を起用したのが原因かもしれない。SF映画はテーマそのものが荒唐無稽なのだが、だからこそ、科学的かつ論理的で説得力のある創り方をしなくてはならない。ところが本作はこのルールを無視し過ぎたため、漫画未満の突っ込見所満載のヨレヨレ作品になってしまった。まさにある意味、何でもあり反則だらけの安物ホラー映画になってしまったのである。

 まず一番辻褄が合わないのが、相手の目を見て操作するはずなのに、街頭や大劇場などで1000人前後の人々を一瞬に操作で来てしまうことである。そして操作された大量の人々がなかなか覚めないのだが、場合によっては車のライトが光っただけで覚めてしまうという矛盾。
 また警察が無能過ぎるし、目を見てはいけないことを知りながら、無防備で何度も同じ過ち繰り返している。せめて防護マスクを着用するか遠くから狙撃しろよと言いたくなる。また超能力者の手口を熟知しながら、クライマックスで、わざわざ大勢の人々がいる劇場にノコノコやってくる主人公も頭が悪過ぎる。そしてラストの無限螺旋階段は一体何なの?あんなのが劇場にあるはずないし、二人とも死なないのも納得出来るはずがない。

 とにかくこの超能力者は「今まで誰にも気づかれずに生きてきた」と言いながら、超・目立つ行動ばかりしている大矛盾。いずれにせよ、いたずらするたび、とっくの昔に防犯カメラに写っていなければおかしいではないか・・・。とにかく数え上げたらモンスター級の突っ込見所オンパレードなのだ。

 そして本作の決定的な欠陥は、意味のない設定が多過ぎるくせに、超能力者が主人公を執拗につけ狙う展開だけで、そのほかの見せ場が全く何もないことだ。そして二人の戦いでも、いつも周囲の人々が巻き込まれて死亡し、主人公が殺されたと思ったら復活というパターンの連続なのである。これでは誰でも途中で観るのを停止してしまうだろう。せっかく序盤が面白かっただけに、非常に残念で惨憺たる結果であった。

評:蔵研人

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