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2020年6月 5日 (金)

怒り

★★★☆
製作:2016年 日本 上映時間:141分 監督:李相日

 最近の邦画はマンガの実写版ばかりで、かなり食傷気味だったが、本作は原作が吉田修一の小説であり、久々に奥行きのある名品に仕上がっていた。ただ群像劇で主役が大勢存在し、3つのストーリーがパラレルに進行してゆくため、かなり分かり難い構成になっているところが長所でもあり短所とも言えよう。

 それにしても凄いキャスト陣である。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、妻夫木聡、広瀬すず、宮崎あおい、と誰をとっても主役級の俳優がズラリと並ぶ。それに加えてピエール瀧、三浦貴大、池脇千鶴、高畑充希、原日出子などの準主役級が脇を固めるという贅沢な映画だ。また第40回日本アカデミー賞では、妻夫木聡が綾野剛と同性愛者を体当たりで演じ、見事最優秀助演男優賞を獲得している。ただアイドル系の広瀬すずに汚れ役をさせたのだけは、ミスキャストかもしれない。

 八王子で起きた凄惨な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、犯人もその動機も不明のまま1年間が経過していた。犯人の名前は山神一也で右頬に3つのほくろが並ぶ、そして彼は髪を切り整形しているということが判明。
 そこから3つのストーリーが並行しながら始まるのだが・・・。それぞれのストーリーには、身元不明で右頬に3つのほくろを持つ怪しい男が3人登場するのだ。果たして犯人はこの中の誰なのだろうか、それとも全く別の登場人物が犯人なのだろうか・・・。

 こんな展開でドキドキわくわくしながら、確実にストーリーが進んでゆく。あえて言えば本作のテーマは「人間の狂気」と、「信じることが真実の愛」ということなのだろうか。
 さて冒頭で本作はかなり分かり難い構成だと記したが、ストーリーを3分割したため、時間の制約を受けて話をはしょったのか、のちに映像を編集し過ぎたことが原因なのだろうか。その最たるものが、山神が刺された後の描写が一切無い点であろう。
 また今どき死んだ親の借金に追われて逃げ回るという話も、心情的にも法的にも無理があるようだ。かなり完成度の高い映画であるが、この2点にモヤモヤ感が残ったこと。さらにまるで夢オチの如く、3つのストーリーが全く交差しなかったところに不満が渦巻いてしまった。

評:蔵研人

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