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2020年5月22日 (金)

宮本武蔵 三船敏郎版三部作

製作:1954~1956年 日本 上映時間:三部計301分 監督:稲垣浩

 宮本武蔵映画といえば、内田吐夢監督、萬屋錦之助主演の五部作のほうが印象的なのだが、本作・三船版のほうが先に製作されているのだ。こちらは未鑑賞だったので、年末にTV放映されたものを録画しておいた。だがそれを鑑賞するタイミングを失い、二年後にやっと録画した本作を観ることになったのである。
 五部作の萬屋版より上映時間が短いため、吉岡一門をはじめ、宝蔵院、柳生家との戦いがだいぶ省略されていた。またなぜか第一部では三國連太郎が演じていた本位田又八を、第二部では堺左千夫が演じているのだ。なにかトラブルがあったのだろうか。

 第一部は青年時代の暴れん坊武蔵の悪蔵ぶりに始まり、捕らえられ姫路城の天守閣に閉じこめられて、文を学び成長するまでを丁寧に描いている。第二部では宮本武蔵と名乗り、武者修行の旅をはじめるのだが、いきなり宍戸梅軒と戦ったかと思うと、今度はまたまたいきなり吉岡道場に殴り込みをかけているのだ。

 ここではサブタイトル通り『一乗寺の決斗』がメインテーマなのだが、当主を失った吉岡一門が幼い又七郎を擁して復讐戦に臨むという話にはなっておらず、ここではじめて武蔵と吉岡清十郎が戦う設定になっていた。まだこの時代には、幼子を斬るという映像は憚られたのかもしれない。

 そして第三部『宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島』に続くのだが、ここでは既に第二部から登場している佐々木小次郎にかなり時間を費やしている。佐々木小次郎役は鶴田浩二が心身ともに完璧に成り切っていて、実に高感度で主役の三船を食ってしまうほどの存在感を漂わせていた。また全編に登場したおつう役の八千草薫と朱実役の岡田茉莉子も、それぞれの個性を生かした役柄に徹していて実に清々しい。

 本作は登場した殆どの役者が亡くなっている66年前の作品なのだが、役者たちの演技や映像は全く色あせることなく、ほとんど違和感を感じない。それどころか現代ではなかなか見つからない時代劇風景を満喫させてくれるのだ。ただこの頃に創られた時代劇には、刀同士がぶつかり「キーン」という音や人を斬る「ズバッ」という音などがないので、殺陣シーンに全く迫力が感じられなかったのが残念である。

評:蔵研人

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