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2020年5月 3日 (日)

国際市場で逢いましょう

★★★★☆

製作:2014年 韓国 上映時間:127分 監督:ユン・ジェギュン

 朝鮮戦争中に米軍の船で逃亡途中、父親と妹と生き別れた長男ドクスは、母親と2人の弟妹の3人で避難民となる。そして釜山で店を営む叔母を訪ね、そこで暮らすことになるのだった。ドクスは子供ながらも、父親の残した「お前は家長になるのだから家族を頼む」という言葉を胸に、ドイツの炭鉱・ベトナム戦争などに参加して家族のために命を張る日々を続けてゆく。

 本来は貧困と不運に染まって暗い作品になりがちなのだが、ドクスの逞しさと親友ダルグのお茶目さによって、陽の当たる作品に仕上がっているところが嬉しい 。さて自分のことは後回しにして、親や弟妹のために命懸けで働く、と言った歴史は過去の日本も同様で、本作を観ながらも亡父の影が蘇り、熱い涙が留まらなかった。
 どこの国も昔の人は偉かったよね。そしてそうした人たちのお陰で、現代の私たちが平和に暮らしているのであろう。ともかく合掌するばかりだ。「ご苦労様でした、そしてありがとうございました」

 ベトナム戦争での韓国軍のイメージについては、反論がない訳ではないが、それを除けば余りにも良い映画だったので、そこは不問に付すことにしたい。最近連続して数本の韓国映画を観たのだが、ほとんど外れなしで実に気分が良い。出来れば最近ギクシャクしている日韓関係が、もう少し改善されればもっと良いのだが・・・。

評:蔵研人

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