アマンダと僕
★★★★
製作:2018年 フランス 上映時間:107分 監督:ミカエル・アース
主人公と姉と姪のアマンダとの心温まる家庭的な映画なのかなと思っていたら、公園で起こったテロに巻き込まれて姉が急死。更には恋人や友人まで腕に大怪我を負ってしまい、アマンダの面倒も見なくてはならなくなる。まさに急転直下の絶望的な展開に、なかなか心がついて行けない。
だがここからが本格的なストーリーとして紡がれてゆくのである。小学1年生アマンダを演じる子役は、むちっとしていてフランス風の美少女とはかなりかけ離れているし、身体が大きいのか4年生程度にしか見えない。これでは余りのめり込めないかなと感じていたのだが、実はなかなか聡明で自己主張もできる強い娘をしっかり表現できる演技派の子役であった。
数年前にフランスで頻繁に発生したイスラム過激主義者によるテロ事件を核にしながらも、同時に離婚率の高い中での子育ての問題にも深くメスを入れている。だからと言って、決して強引ではなく粛々と或いは淡々とした趣きでストーリーが流れてゆくのだ。
だが決して後ろ向きで憂鬱な映画ではない。と言うよりは、ある意味で光が溢れていると言っても良いだろう。家族を失った悲しみはリアルに伝わってくるのだが、それでいて何かとても美しいものを感じる作品である。その象徴こそが、ウィンブルドン選手権でのラストシーンなのではないだろうか。ここで思わず、私は一滴の涙を流さずにはいられなかった。
評:蔵研人
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