未来のミライ
★★★☆
製作:2018年 日本 上映時間:98分 監督:細田守
本作は第91回アカデミー賞にノミネートされたアニメーションである。ストーリーは、”くんちゃん”という甘えん坊の小さな子どもの日常と成長を描いたファンタジーで、誰もが小さいときに経験するであろう体験を淡々と綴っている。
本作がファンタジーたる所以は、くんちゃんが我がままになる都度、未来の妹が現れたり、過去の曾おじいさんと会ったりすることである。なんとなく『さびしんぼう』や『千と千尋の神隠し』のような雰囲気が漂う。
また本作は単なるファンタジーアニメではない。小さな妹へ両親の愛情を奪われたことに嫉妬し、戸惑う男の子の心理状態を巧みに描きながら、昔の人の偉大さを称えたり、いつの時代も繰り返えされる人の営みなどを描き、深みの感じられる作品に仕上がっているのだ。ただくんちゃんの喋り方にはやや難があったが、幻想的な音楽と美麗な絵のアンサンブルはとても素晴らしかった。
評:蔵研人
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