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2020年2月16日 (日)

さよならアリアドネ

★★★☆
著者:宮地昌幸

 ある日のことである。未来からやって来た中年女の”アリアドネ邦子”に、「このままだと最愛の妻に見捨てられて不幸のどん底に落ち込みますよ」と忠告される。また「それを阻止するためには、15年後の未来に跳んで、同じ8月23日を72回繰り返して、未来を変える方法を見つけるしかありません」とも断言される主人公の服部政志33歳であった。

 著者はあの『千と千尋の神隠し』の助手を皮切りに、数々のアニメを手掛けている宮地昌幸である。そして本作の主人公・服部政志もアニメーターという設定であり業界人も登場するので、もしかすると半分は自分自身の心境を描いた疑似私小説なのかもしれないね。

 前半は政志が四苦八苦して、同じ日を72回繰り返してなんとかハッピーエンドを迎える。そして邦子が2050年の未来に戻り、時空興信所長に「業務報告書」を提出する。かなり長い報告書なのだが、少し分かり難かったストーリー全体をまとめてくれたので助かった。ところがここまでで、まだこの小説の半分を消化しただけなのである。

 この後一体何があるのかと思っていたら、また過去に戻ってきた邦子が、政志の前でとめどなく泣き崩れてしまうのである。おいおい一体どうしちゃったの?と首をひねっていたら、今度は邦子の不幸な物語の幕開けであった。そしてその不幸を少しでも緩和するために、二人はタイムマシンで過去(邦子にとっては過去だが、政志には未来)へ跳んでゆくのであった。

 結局のところ本作は、政志と邦子の二人の不幸を阻止するためのタイムトラベル小説だったのだ。ただ前半の政志のタイムループ話は少し退屈であり、後半の邦子の過去改変のストーリーのほうが面白かった。ただ改変した過去とのタイムパラドックスについては、やんわりとパスしているのでかなり物足りないのが残念であった。

評:蔵研人

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