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2020年2月11日 (火)

淪落の人

Rinraku

★★★★
製作:2018年 香港 上映時間:112分 監督:オリヴァー・チャン

 アクション中心の香港映画としては珍しいヒューマンドラマである。それもあってか香港中を涙と感動で包み大ヒットを記録したという。もちろん日本でも、かなり評価は高いのだが、地味な創り方をしているせいか、今のところ上映が極端に少ないのが残念である。

 事故で下半身が動かせなくなったリョン・チョンウィンは、離婚することになり一人息子は妻と暮らしている。それで彼は公営住宅で、独り淋しく不自由な人生を送っていた。そんな彼の唯一の希望は、ネットで連絡を取り合っている息子の成長だけであった。
 また手助けしてれる友人のファイが時々訪ねて来てくれるものの、下の世話や食事の支度をしてくれる家政婦なしでは生活できない。だがこんな状況下では、なかなか長続きする家政婦がみつからないのだ。

 そんなある日、フィリピン人の住み込み家政婦エヴリンがやって来る。ただ彼女は広東語が喋れず、片言の英語でコミュニケーションを図るしかなかった。
 こんな状況下で、障害者と家政婦のギクシャクした生活が始まるのである。だが見かけは神経質で厳しいリョンだが、根は優しくて包容力があるので、エヴリンも少しづつ心を開いて行くのであった。だからと言って恋愛関係に発展するわけではなく、あくまでも人間同士の心温まる触れ合いに終始するところが心地よい。

 思わぬ事故で障害者となり、妻子と別れ、金持ちでもなく、希望もない主人公なのだが、絶望的な展開もなく、ストーリーも退屈しない。また香港に出稼ぎにやって来るフィリピン女性たちの生活実態を垣間見ることも出来る。決して楽しい映画でも痛快な映画でもないのだが、なんとなく心温まる不思議な肌触りを感じる作品であることは間違いないだろう。

評:蔵研人

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