九月の恋と出会うまで
★★★★
製作:2019年日本 上映時間:106分 監督:山本透
原作である松尾由美の同名小説を読んだのは、もう5年前のことであり、細かいストーリー展開と結末は余り覚えていない。それで新鮮な眼で本作を観ることが出来た。また登場人物が4人しか登場しないアイデア一辺倒の原作より、映画のほうが恋愛色に染まっていてストーリーも面白いし、スケールも広がっている。それに美しい映像と効果的な音楽が加わるから、珍しく原作を超えた映画と言ってよいだろう。
ただタイムパラドックスとの因果関係については、やや解り辛いのであとで原作を読むと良いかもしれない。とは言っても、過去改変の影響については、原作でもいま一歩深みにはまり切っていないところが、かなり物足りないので念のため・・・。
北村志織は、入居したばかりのマンションで、不思議な現象に遭遇する。なんと隣室に住んでいるが、ほとんど話をしたことのない平野という男性の声が、エアコンの穴から聞こえてきたのだった。それも一年後の未来から話していると言うのである。
はじめは信じられない志織だったが、翌日の天候に始まり一週間分のニュースを言い当てられ、未来からの声だということを信じざるを得なくなってしまう。そのうえ現在の平野を尾行してくれという、奇妙な依頼を未来の平野から受けてしまうのである。だがなぜ尾行するのかという理由は教えてくれない。
序盤は平野を尾行する理由の謎を追い、中盤はタイムパラドックスを避ける活動、そして後半に完全なラブストーリーへと変換してゆく流れは、「なかなか見事な脚本に仕上がっている」と褒めてもよいだろう。思わず一昔前に、こんな感性の韓国映画をよく観たことを思い出してしまった。
また主演の高橋一生と川口春奈の演技力と存在感もなかなかであり、二人ともしっかりとこの役柄にはまっていた。まあどちらかと言えば、タイムトラベルよりも恋愛ものとして若い人たちにお勧めの作品かもしれないね。
評:蔵研人
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