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2019年12月の記事

2019年12月30日 (月)

ミリオンダラーべイビー

★★★★☆
製作:2004年 米国 上映時間:133分 監督:クリント・イーストウッド

 ご存知、クリント・イーストウッド監督・主演で、2005年のアカデミー作品賞を受賞した映画である。
 クリント・イーストウッドの作品は、いつも素晴しいけれど、もうそろそろ主演は降りたほうがよろしい。彼の名声をこれ以上下げたくないので、今後は監督か脚本家に専念して欲しいと思うのだが・・・。

 一方、2度目のアカデミー主演女優賞を獲得した、ヒラリー・スワンクの演技力とパワーは絶賛に値するだろう。役作りのボクシングの練習中、足に出来たマメが潰れて命にかかわる程悪化し、ドクターストップがかかったらしい。たがそれを振りきって、文字通り『命をかけて撮影に臨んだ』という話が伝説になっている。まさしく役者魂発揮!、プロ中のプロといってもよいだろう。

 ストーリーのほうだが、途中迄は女性版ロッキーという感じで、どんどん登りつめてチャンピオンに挑戦する迄は、爽快感が一杯の楽しい映画なのである。ところが、この映画が本領発揮するのは、チャンピオン戦が終ってからなのであった。そのあとは、映画のテンポもトーンも、全く違った作品のように変貌してしまうのである。

 そしてラストシーンには、いろいろ考えさせられたのだが、自分ならどうしていたかの回答が出せないまま、やるせない気分で映画館を後にした記憶が残っている。あの『ミステリック・リバー』のような後味の悪さこそ湧かなかったが、なぜか『不公平感』を拭いきれなかった。

評:蔵研人

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2019年12月26日 (木)

バタフライ・エフェクト

★★★★☆
製作:2004年 米国 上映時間:114分 監督:エリック・ブレス

 タイトルの『バタフライ・エフェクト』とは、一羽の蝶が羽ばたいただけで、地球の裏側で、竜巻が起こるという「カオス理論」のひとつである。つまり、何でもないことを変えたために、大きな変化が起こる場合のたとえなのだ。

 繊細でlQの高い美青年が、少年時代の日記を読むことによって、少年時代の意識に介入出来る能力を発見する。そして自分のせいで不幸になり、自殺してしまう幼な馴染みの少女を救うために、過去の自分の行動を何度も変えてみるのだが・・・。

 この作品は、タイムテーマとミステリーを上手に組み合わせて、そこにスタンド・バイ・ミー風味をブレンドしたような間口の広い秀作なのである。また何度過去を変えても、事態はなかなか好転せず、イライラさせながらも、ラストでは「一番大切なもの」を切り捨てることによって、全員が救われるという皮肉なハッピーエンドを用意している。

 余り製作費はかけていないのだが、本作を観た当時は久々に「本物の映画」を観た気がしたものである。ただのんびりと観ていると、何が何だかよく判らなくなるので、じっと真剣に観る必要があるだろう。
 またよく判らなかった人には、映像写真付きの文庫本が発行されているので、プログラム代わりに読んでみてはいかが。内容は映画と全く変わらないので、複雑なストーリー展開が良く理解出来るはずだ。但しラストの一行?だけは、映画と大きく異なっているので要注意!。

評:蔵研人

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2019年12月22日 (日)

Ray(レイ)

★★★★☆

製作:2004年 米国 上映時間:152分 監督:テイラー・ハックフォード

 ご存知盲目のピアノシンガーであるレイ・チャールズの半生を描いた作品で、主役のレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスがアカデミー主演男優賞を受賞している。彼は『コラテラル』でも、タクシーの運転手役を演じて大好評だったが、本作において完全に演技派の一流俳優として認められたことになる。

 3時間近い長編であるが、ストーリーの面白さにレイ・チャールズの名曲が加わり、全く退屈することなく時間が過ぎてゆく雰囲気である。
 それにしても、完全にレイ・チャールズになり切っていた、ジェイミー・フォックスの鬼気迫る見事な演技には圧倒されっぱなしであった。またレイ・チャールズの天才振りにも、改めて驚かされてしまった。本作を観終わった人たちは、きっとレイ・チャールズのCDを買いに走ることになるだろう。

評:蔵研人

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2019年12月17日 (火)

カツベン!

Katuben  

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:127分 監督:周防正行

 タイトルの『カツベン』とは、無声映画(サイレントムービー)の上映中に、傍らでその内容を解説する専任の解説者、つまり活動弁士を略した呼び名である。決して『とんかつ弁当』の略ではないのでご注意を(笑)・・・。

 そのカツベンは日本にしかないシステムで、米国のサイレントムービーなどでは、途中で画面が切り替わって説明文が表示される方式をとっている。ではなぜ日本にだけカツベンが存在したのだろうか。多分はじめは国産映画が存在せず、米国などからの輸入映画に頼っていたため、英文で表示される説明文では誰も理解出来なかったからかもしれない。また解説だけでなく舞台脇の音楽演奏なども含めて、歌舞伎や村芝居など伝統芸能の影響を受けたことも否めないだろう。

 さて本作はあの名作『Shall We ダンス?』で一世を風靡した周防正行監督が、『舞妓はレディ』以来5年ぶりにメガホンを握った待望のオリジナル映画作品である。
 また主人公・俊太郎役には、最近話題作に立て続けに出演しているものの本作が映画初主演となる成田凌が、共演のベテラン俳優たちを凌いで見事にその役柄を演じ切っていた。さらにヒロイン役を黒島結菜が演じるほか、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊ら周防組初参加のメンバー、そして竹中直人、渡辺えり、小日向文世、草刈民代らの周防組常連陣が脇を固めている。

 そのストーリーの中身は、少年時代からカツベンに憧れていた染谷俊太郎が、泥棒グループに利用された偽弁士を経て本物の弁士に成長してゆく過程を、ちょっぴりロマンスも絡めて描いたコメディードラマである。127分の上映時間があっという間に流れてしまったくらい面白かったことは確かだが、ラストの捕り物帳でのドタバタ臭さだけは気に入らない。もう少し質の高い笑いに期待していたのだが・・・。
 それはそれとして、周防流の『特化型ウンチク映画』の味は相変わらず冴えわたっていて、活動弁士の実態が分かり易く描かれていたよね。いい加減な弁士や人気弁士、そしてかなりアドリブの混じった会話力などなど、いつもながら社会勉強をさせてもらった。

 さてその昔、徳川夢声、牧野周一などの人気弁士がいたが、映画が無声映画からトーキーに変貌したことに伴って、漫談家などに転業したようである。それだけカツベンは話術に秀でていたのである。さてとっくの昔に絶滅したと思っていたカツベンだが、なんと現代にも10人程度が存在しているらしい。もっともそれだけで飯を食えるのは、その中の一人だけらしいのだが・・・。

評:蔵研人

 

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2019年12月13日 (金)

風の前奏曲

★★★★☆
製作:2004年 タイ 上映時間:106分 監督:イッティスーントーン・ウィチャイラック

 タイの伝統的楽器といわれる、ラナートの名手であるソーン師の半世をモデルにしたフィクションであるという。ラナートとは、木琴をハンモック状に吊したような楽器で、まるで電子木琴のような美しい音を奏でる楽器だった。
 タイの映画と言えば、お馬鹿で不潔な映画が多かったのだが、この映画は美しい映像とシリアスな展開に終始し、従来のタイ映画のイメージを一新してしまった。

 またシャム王朝時代の青年ソーンと、第二次大戦時の老年ソーンをパラレルに描いているため最初は少し戸惑うものの、変化があって退屈させない仕組みになっている。
 そして青年ソーンには、ライバルとの過激な演奏バトルを、老年ソーンには、風にそよぐ椰子の葉のような神秘的で、心に染み渡る演奏シーンが用意されていた。バトルシーンでは壮快感を味わい、またラストの神に癒されるような演奏シーンには、誰もが思わず大粒の涙をこぼしてしてしまうだろう。

 さらにエンディングでは、アゲハ蝶によって過去と現在が見事に繋がってゆく。またキャストについても、それぞれが個性を発揮した素晴らしい演技を見せてくれたと思う。まさに完璧に近い映画だったが、ラストの終わり方がちょっと唐突だったことだけが惜しまれる。

評:蔵研人

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2019年12月 6日 (金)

EXIT

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★★★☆

製作:2019年 韓国 上映時間:104分 監督:イ・サングン

 毒ガスが蔓延した都市を舞台に、高層ビル群の中を跳び渡りながら、迫りくる毒ガスから逃げ抜く男女の奮闘を描いたパニック映画である。毒ガスを怪獣に例えれば、一種のモンスターパニックかもしれない。しかし毒ガスは生物ではないので武器で死ぬことはない。
 ところがその正体が解明され、毒ガスを消滅させる方法が見つかるのだが、それはかなり終盤になってからある。だから全編にわたって、ただただ毒ガスから逃げるのみ。とにかく高層階を逃げて逃げて逃げまくって、救助隊のヘリに助けを求めるより方法がないのだ。

 なにしろスピード感とパワーに満ちていて、笑いあり涙ありドキドキ感も満載で、かつ家族愛とちょっぴり甘酸っぱいロマンスも鏤められている。とにかくいろいろな要素が織り込まれた欲張りな映画であることは間違いない。
 さらにヒロインの美しいだけではなく、しゃきっとしてかつ清々しくいじらしい心情がとても素敵である。またパニック映画であるにも拘らず、ほとんど死人の描写がなかったのは珍しいね。

 いずれにせよ、面白くて楽しくて家族揃って観れる映画だということは保証しても良いだろう。だがかなり展開が単調で、収束もほぼ予測の範囲内であったことは否めない。個人的には同じ韓国パニック映画なら、2017年に上映されたゾンビパニック映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のほうが、予測不可能な展開だった分だけ面白かったと思うのだが・・・。

 ところがこの映画は、韓国では5人に1人とも言える約940万人もの観客動員を記録する超ヒット作となったのである。ただ不思議なことに、なぜか日本では首都圏のマイナーな映画館を中心に、全国13館程度で上映されているだけなのだ。まさか韓国とヒビの入ってしまった現状の政治状況を反映している訳ではないと思うのだが・・・。

評:蔵研人

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