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2019年11月の記事

2019年11月28日 (木)

カンフー・ハッスル

★★★★
製作:2004年 中国、米国 上映時間:103分 監督:チャウ・シンチー
 
 少林サッカーを遥かに超えた『香港映画』という触れこみなのだが、確かに期待通りアクションの荒唐無稽さ加減は、少林サッカー以上どころか『マトリックス3』をも超えていた。ただストーリー展開は、よくあるカンフー映画そのもので、少林サッカーのような斬新さは見当たらない。

 それでも、笑いあり涙ありで、超面白い事は保証する。それと弱そうなおじさんやおばさん達が、実は「カンフーの達人」という設定は、非常に面白かった。
 またラストバトルは、特に超々ど派手、荒唐無稽指数500%で、マンガの『ドラゴンボール』を髣髴させられる。DVD化されてから既に3回以上観たのだが、何度見ても楽しい映画である。

評:蔵研人

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2019年11月23日 (土)

きみに読む物語

★★★★☆
製作:2004年 米国 上映時間:123分 監督:ニック・カサヴェテス

 愛し合った老夫婦の若き日の出会いと苦悩を、回想方式で描いた超純愛作品である。また原作となったニコラス・スパークスの小説は、あの『マジソン郡の橋』を上回る大べストセラーになったという。
 身分の違いと時の流れにも負けず、1年に356通のラブレターを書き、約束の家を建て、夢を実現させた男の「妻に対する強烈な愛の物語」である。
 ただ彼女のほうからは、何故1度も手紙を書かなかったのか、という疑問は残っている・・・。

 ストーリーとしては、良くある話なのだが、痴呆症の妻に自分達の過去を物語として語って、記憶を呼び戻そうというアイデアは、なかなか面白いし、ラストの意外な展開も含めて、全般的になかなか良く出来た脚本だと思う。
 あと映像がとても美しいね。特に夕日がにじむ湖をゆっくり進むボートと、白鳥の群れを横ぎるシーンがとても印象的である。
 だいたい良い映画か否かは、始めの15分位で判るものだが、この作品は、始まって5分位で良い映画の予感があった。

 また中盤からラストにかけては、感動シーンが続いて、涙が乾くひまがない。それも無理やりに泣かせる創り方ではなく、自然にとどめなく涙が落ちてくる仕組みになっているのだ。だから映画が終わっても、誰ひとりとしてすぐに立ちあがらず、老いも若きも男女も、ほとんどの人々が泣き腫らした顔でじっとうずくまっていた気がする。

 とにかく泣きたい人は必見の映画であろう。だいぶ以前に観た映画であるが、最近涙が恋しくなったので、一度原作も読んでみようかと考えている。

評:蔵研人

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2019年11月20日 (水)

眠狂四郎 勝負

★★★☆
製作:1964年日本 上映時間:83分 監督:三隅研次

 全12作に及ぶ人気シリーズのきっかけとなった市川雷蔵の眠狂四郎シリーズ第2作目である。もともとは鶴田浩二主演のシリーズであったが、全3作で終了している。その5年後に雷蔵主演の新シリーズが開始されたが、三隈研次がメガホンをとった本作が大好評を得て。以後雷蔵の当たり役となったのである。

 ストーリーは風采の上がらない老侍(加藤嘉)と狂四郎がある少年を介して知り合うところから始まる。実はこの真面目一徹の老侍こそ、老中にも諫言できる朝比奈という勘定奉行であった。
 当然そんな彼の行動が気に入らない者も大勢いて、とうとう彼を暗殺しようする一味が現れる。それを知った狂四郎がその警護を買って出たため、今度は狂四郎自身も狙われることになるのだった。と言う他愛もない展開なのである。

 従ってストーリーよりも、狂四郎と暗殺者の殺陣が興味の中心となる。ところがその武術に秀でた五人の暗殺者達には、有名俳優が一人も見当たらないため、余り迫力を感じなかったのが非常に残念だ。また御前試合をする柳生但馬守宗矩についても同様で、達人同士の真剣勝負なのにちっとも緊張感が湧かないのである。
 まあそこそこ面白いし、半世紀以上経っても陳腐化していない良作であることは認めるが、狂四郎と戦う相手俳優が全員役不足だったのは否めないだろう。またもっと言えば、本シリーズの売りともいえる「お色気」も不足気味かもね(笑)。

評:蔵研人

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2019年11月16日 (土)

人生、ただいま修行中

Jinsei

★★★

製作:2018年 フランス 上映時間:105分 監督:ニコラ・フィリベール

 ドキュメンタリーであることも調べず、そこそこ評判が良かったので鑑賞したのだが、正直退屈で堪らなかった。最近はドキュメンタリー映画が多く、どの作品も高得点なのであるが、実はそのテーマにそれほど興味のない者にとっては、疲れるだけなのかもしれない。

 本作はフランス・パリ郊外の看護学校を取材し、看護学生たちが現場で成長していく姿を、150日にわたって捉えたドキュメンタリー作品である。すべて主役は看護学校の生徒で、大きく3つのパートに分類されている。その1は看護知識の習得と模型などを使った看護技術の講習風景。その2は病院での看護実習で最後は学生たちの実習感想という構成になっている。

 ことに終盤の実習感想は学生と指導員の会話が延々と続くため、かなり退屈で「いつ終わるのだろうか」と、こっそり携帯で時間を確認する始末。確かに看護士たちの学習方法や心情については丁寧に描写されているのだが・・・。もちろん決して悪い映画ではないし、ドキュメンタリーであることを知らないまま観客席に座った私がいけないのだろう。

評:蔵研人

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2019年11月11日 (月)

女王陛下のお気に入り

★★★☆

製作:2018年 アイルランド・米国・英国 上映時間:120分 監督:ヨルゴス・ランティモス

 18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ドラマである。と言っても決して堅苦しいドラマではない。どちらかと言えば、時代考証や史実に不誠実であり、主役のアン女王もコミカルタッチで描かれているのである。
 当時のイングランドでは、飽食に染まった貴族たちが、パイナップルを食べることとアヒルのレースに夢中になり、国内では税金を無駄に費やして、他国との戦争ばかりにうつつを抜かしていた。

 それもこれもアン女王の体が弱く、自ら十分な政策運営を諮ることが出来ず、幼なじみでお世話係のレディ・サラが、権力を掌握していたからであった。この二人の関係は、まるで五代将軍徳川綱吉と側用人柳沢吉保との関係にそっくりではないか。
 ところが厄介なことに、ある日ここにサラの従妹であるアビゲイルが介入して、三角関係となってしまうのである。そしてアン女王争奪戦と、その他の貴族たちを巻き込んだ女同士の嫉妬と憎悪に塗れた権謀術数作戦が開始される。

 ストーリー前半は、貧しくて清純だったアビゲイル、頭脳明晰だが傲慢かつ独善的なサラというシナリオだった。ところが次第に二枚舌で野心家であるアビゲイルの本性が剥き出しになってくるのである。ただラストシーンは、サラが追放されたあと、画面一杯にウサギの映像が溢れるだけで、「あとはご想像にお任せします」という無責任な終わり方で幕を下ろしてしまうのだ。

 もちろんアン女王のアビゲイルに対する愛情の変化を想像することは出来るものの、その後のレディ・サラについては、何も語られないため、史実を知らない者にはかなり不親切な締めくくりとなってしまったのではないだろうか。なお史実上も、サラはアン女王の晩年にその寵愛を失うのだが、その後ハノーヴァー王家のジョージ2世と王妃キャロライン、首相ロバート・ウォルポールと親交を結んでいる。さらにはマールバラ公家の莫大な資産をトラスト法によって継承し、当時ヨーロッパ有数の資産家になり、84歳という長寿を全うしたという。結局は彼女が一番の勝利者だったのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年11月 7日 (木)

だからタイムマシンには乗りたくなかった。

著者:時羽 紘

 実に長ったらしいタイトルなのだが、なにげにタイムトラベルファンの気を引くタイトルでもある。主な登場人物はたった4人の学園ラブファンタジー、映画ならさしづめB級作品と言う趣だろうか。
 主人公の九條楓は高校一年生で、心優しく自分の言いたいことをはっきり主張できない女の子。大好きな1年先輩の伊波潤と付き合っている。そんなある日、雨宮奏という未来からやって来たという不思議な男の子と遭遇。彼のタイムマシンで10年後の世界に跳ぶと、見知らぬ美人女性と伊波潤が結婚式を挙げているところだった。

 そして再び現代に戻ると、なんと伊波潤と同クラスに10年後に彼の花嫁になる野村みな子がいるではないか。そして彼女は伊波潤に告って断られたにも拘らず、しつこく潤に付きまとっているのだった。
 そしてことあるごとに、楓と潤の邪魔をしてくるのだ。そうこうしているうちに楓と潤の二人に誤解が生じて、ぎくしゃくした関係に陥ってしまうのである。結局タイムマシンで覗いた未来通り、潤は楓と別れてみな子と結婚してしまうのだろうか・・・。

 登場人物も少なく物語の幅も狭く、ただただ潤を慕う楓の想いと二人のすれ違い、そしてみな子の意地悪に終始するだけのお話なのだが、年甲斐もなくドキドキして楽しく読ませてもらった。また謎の少年・雨宮奏の正体については、途中で何となく想像できるようになるのだが、なぜ彼がああすることになったのかはちょっと無理があるかも・・・。いずれにせよ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の逆転バージョンといった味がしたことは否めないね。

評:蔵研人

 

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2019年11月 3日 (日)

キャプテン・マーベル

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:124分 監督:アンナ・ボーデン

 新しい女性スーパーヒーローの誕生である。とにかく強いもの凄く強い。今まではスーパーマンが最強のヒーローだと思っていたのだが、もしかするとこのキャプテン・マーベルのほうが強いかもしれない。そう感じるほど強いのだが、最初から強かった訳ではない。少しずつ目覚めてゆき、ラストシーンで、完全に目覚めてパワー全開となり、100発以上のミサイルも宇宙戦艦も一瞬に破壊するほど強くなるのである。

 それにしてもこのラストシーンには、充足した爽快感にうっとりと溺れてしまったくらいだ。ただ今後も同様の爽快感が得られるとは限らない。スーパーマンの例を見れば分かることだが、余りにも強過ぎて相手が存在しなくなるため、ストーリー展開が難しくなるからである。しかもキャプテン・マーベルには、スーパーマンに対するクリプトナイトのような弱点が見当たらない。完全無欠だからいよいよ難しいのだ。

 今回ははじめから強かった訳ではないし、自分探しのストーリーに終始していたため、なんとかストーリーを紡ぐことが出来たのだが、今後の続編ではそれも難しくなる。だからもしかするとキャプテン・マーベル単独でのストーリー構成は、これが最初で最後になるかもしれないね。
 とにかく強いこと自体は悪くはないのだが、完璧に強過ぎると起承転結の「転」が不在となり、ストーリーに変化を与えられなくなり、単調になりやすいものである。


評:蔵研人

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