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2019年10月20日 (日)

ジュリアン

★★★
製作:2017年 フランス 上映時間:93分 監督:グザヴィエ・ルグラン

 離婚した両親の板挟みで悩む少年と家族を描くヒューマンドラマで、第74回ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞に輝いた作品である。と言う触れ込みにつられてレンタルしたのだが、はっきり言ってヒューマンドラマというより、ホラー映画と言ったほうが似合っているのだ。

 オープニングは家裁での調停シーンで、弁護士経由で離婚した夫婦それぞれの言い分が延々と語られる。この断面で両者の言い分にズレが生じているのだが、どちらが正しいのかは分からない。そして裁判所の裁定が下され、父親に少年の親権が認められると、2週間に一度の頻度で父親と少年が一緒に週末を過ごすことになるのだった。

 このあたりから父親の横暴さがチラチラと顔を出してくる。そしてだんだん陰険になり、狂暴性を発揮してくるのだ。結局この父親は少年が可愛くて親権を要求したのではなく、別れた妻とヨリを戻したくて少年を利用しているだけのようである。
 自分の両親にも見放されたこの父親は、なんとヤケクソになったのか、深夜に猟銃を持って、元妻の家のドアをバンバンと叩き、挙句の果て銃をぶっ放す始末。

 結局は親権とかDVとかと言うレベルではなく、ストーカー的な狂人の話だったのだろうか。それにしても逃げ回っているだけで、結果的に息子にリスクを押し付けている母親にもイライラが募る。警察への通報も迷っているばかり、近所の人の通報がなければ手遅れになっていたかもしれないじゃないの。まあ母親もはっきりしないが、少年もモジモジし過ぎているよね。姉が一番しっかりしているようなのだが、ただ彼氏とイチャイチャしているだけで、ほとんど存在している意味がない。

 決してつまらない映画ではないのだが、ストーリーがバラバラにちぎれていて、前後の話が繋がってこないのだ。またラストの尻切れトンボのような締めくくりもすっきりしない。あれではまたまたその後に、さらなる恐怖を引きずって行くだけではないのだろうか。
 

評:蔵研人

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