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2019年8月の記事

2019年8月29日 (木)

ザ・トランスフォーム

★☆

製作:2018年 米国 上映時間:86分 監督:ジェームズ・コンデリク


 トランスフォーマーのスピンオフ作品かと思ってレンタルしてしまったのが間違いの始まりだった。単にショボイロボットが一台登場するだけの訳の分からない粗悪映画じゃないの。なぜこうした酷い作品が市場に出回っているのか理解に苦しんでしまうよね。まさに詐欺に引っかかったようで、時間を無駄に消費してしまったのが悔やまれる。もっとも途中で気が付いて早送りして観たので、被害は最小に食い止められたけどね・・・。

 まずハンディカメラの手振れと、ロボット視線の映像がとても目に不親切で腹立だしい。さらに会話のある登場人物は僅か5人、ゾンビらしき人間が5人程度の計10人程度しか登場しない超・低予算映画なのね。それはそれで許してあげてもよいのけど、とにかく内容が出鱈目で何を表現したいのかもさっぱり分からないのよ。とにかく腹が立って、これ以上この評論を書く気になれないわね。ガクッ(-_-;)

評:蔵研人

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2019年8月25日 (日)

彼が愛したケーキ職人

★★★★

製作:2017年 イスラエル・ドイツ 上映時間:109分 監督:オフィル・ラウル・グレイツァ

 ナチとユダヤ人が手を組んで映画を製作するとは、誰が予測し得たであろうか。それにしても時代は変ったものである。舞台も序盤はベルリンであとはエルサレム、そしてラストがまたベルリンに戻るという展開だ。

 ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマスは、いつも出張でイスラエルからやって来る客オーレンに好感を抱き、二人はいつの間にか男同士の恋人関係へと発展してしまう。だがオーレンにはエルサレムで妻子が待っている。
 ある日突然オーレンは、「また1か月後に」とトーマスに告げてエルサレムに帰って行く。だがその後全く連絡が途絶えてしまうのである。トーマスは何度もケータイに留守電を入れるのだが、全く返信がない。
 ある日トーマスは、オーレンがエルサレムで事故にあって死亡したことを知らされる。半信半疑のトーマスはエルサレムへ飛び、オーレンの妻・アナトが経営しているカフェへ行くのだが・・・。

 イスラエルの食文化と宗教観、美味しそうなドイツのケーキとクッキーなど、数々のカルチャーは実に興味深い。そしてオーレンを愛した男と女の遭遇という、一種の皮肉めいた出会い。それは淡々としているようで、ねっとりとした分身の愛と隣り合わせているようだ。その分身の気配をいち早く察知したのが、オーレンの母親だったのかもしれない。
 全体的に雰囲気が暗くセリフも説明も少ないため、主人公トーマスの意図がはっきりしない。さらにはラストシーンも、観客たちの想像に委ねたままである。従って好き嫌いの分かれる作品かもしれない。だがそれらを全てひっくるめたところで、この作品の味が醸し出されているのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年8月21日 (水)

Laundry ランドリー

★★★★

製作:2001年日本 上映時間:126分 監督:森淳一

 思わず洋画かと勘違いしてしまいそうなタイトルだが、列記としたっきとした邦画である。タイトルの由来は、窪塚洋介が演じる主人公・テルが、コインランドリーの店番をしているところからきている。
 彼は幼い頃、頭部に傷を負い、脳に障害を残す青年であり、店番と言っても祖母の経営するコインランドリーで、洗濯物を盗まれないように見張り続けることが役割である。そんな単純な仕事であったが、過去の記憶を一切所持していない彼にとっては、そこだけが世界の全てであった。

 そんなある日、水絵という美女がはじめて利用しにやってくる。そこに彼女が置き忘れた洗濯物をテルが届けることになり、言葉を交わすことになるのだが、失恋して傷心の彼女は突然ふるさとの実家へ帰ってしまう。だがまた置き忘れたのか、捨ててしまったのか、血の付いたワンピースが残されていた。ここで一旦ストーリー展開は、テルから水絵の視点に切り替わってゆく。

 低予算だがなかなか感性の豊かな作品である。いろいろな人と人の出会い、苦しさ・悲しさ・無垢な心・優しさに、切なさが漂う新しい切り口の映画と言えるだろう。ハリウッドには絶対に太刀打ち出来ない邦画が、今後進むべき道の一つの選択かもしれない。

 主演の窪塚洋介の熱演ぶりには、盛大な拍手を送りたい。また投げやりな失恋女性役を演じた小雪も、ベストキャスティングである。ただ内藤剛志が演じた破天荒なおじさんに関しては、余りにも荒唐無稽であり得ない人物設定かもしれない。しかしながら暗くて無口な展開が多い中で、このような人物を練りこむことで、明るさと口当たりの良さが加わり調和のとれた作品に仕上がったのだとも言えるだろう。

評:蔵研人

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2019年8月17日 (土)

ビューティフル・デイ

★★★☆

製作:2016年 英国 上映時間:90分 監督:リン・ラムジー

 第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞している。男優賞は理解できるのだが、どうも脚本賞のほうは納得できない。一応サスペンスとかスリラーというジャンル分けがされているのだが、アクションシーンはほとんどゼロ、主人公が通り過ぎた後に死体が転がっているという見せ方なのである。

 主人公のジョーは、元軍人でFBI捜査官をしていたこともある。現在は年老いた母親と暮らしながら、行方不明の女の子を探し救済するという仕事を請け負うことで生計を立てている。そしてその仕事を遂行するためには、かなり惨忍で手段を選ばない。だが少年時代に父親から受けた虐待と、戦争で受けたショックがトラウマになって、PTSDを発症して酷いフラッシュバックに悩まされていた。

 本作はジョーの心象風景を描く流れが中心であり、ストーリーはシンプルそのものだ。つまり誘拐され売春組織で富裕層の男性相手に、娼婦として働かされているニーナの救出、それもあっさりと簡単に成し遂げてしまう。
 常に自殺願望を抱いていたジョーだが、母親の死によって生きる支えがなくなり湖に沈んでしまう。だがニーナの救出を思い出し、湖から浮き上がるのである。

 そしてそのニーナを救出したあとは、また目的がなくなり自殺しようとするのだが・・・。ニーナに「いい日ですね(ビューティフル・デイ)」と声をかけられ、思いとどまるのだった。
 とにかく従来のサスペンスやスリラーとは一線を画す、奇妙な創り方に脚本賞が輝いてしまったのだろう。まあそう考えれば脚本賞も納得せざるを得ないのだが、フラッシュバックシーンが多過ぎて、船体の流れが分かり辛くなっているよね。

評:蔵研人

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2019年8月14日 (水)

クリード 炎の宿敵

★★★☆

製作:2018年 米国 上映時間:130分 監督:スティーヴン・ケイプル・Jr

 ロッキーの遥かなる続編『クリード チャンプを継ぐ男』の続編で、原題は『CREED II』となっている。前作を観たのは3年前だが、なかなか良かった記憶があるのでつい衝動的にレンタルしてしまった。

 ロッキーの指導を受け、ついに世界チャンピオンに登りつめたアドニス。そして恋人のビアンカに結婚を申し込み、子供まで授かって幸せの絶頂を味わっていた。ところが父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターから挑戦状をたたきつけられ、ロッキーの反対を押し切って受諾してしまうのである。

 怒ったロッキーはセコンドから外れてしまい、案の定試合はヴィクターの一方的なペースとなってしまう。辛うじてノックアウト寸前に相手の反則行為を受けてタイトルは移動しなかったものの、病院送りとなったアドニスは納得できず苦悩し続けるのだった。そしてロシアでの再戦を求めるヴィクターの要求を、またまた無謀にも受けてしまうのである。

 こんな流れでラストは『ロッキー4』同様、大観衆の中、ロシアでヴィクターとの再戦が始まるのであった。昔のロッキー映画を観たことのない若者なら、ここで大感動かもしれない。だがおじさんたちは過去に飽きるほどロッキーシリーズを観ている。老いたロッキーがトレーナーになり、若いボクサーを育てるというパターンに変化した以外は全くロッキーそのものである。もういい加減この辺でこのシリーズは終わりにしたほうが良いのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年8月10日 (土)

スリー・ビルボード

★★★★

製作:2017年 英国・米国 上映時間:116分 監督:マーティン・マクドナー

 本作は第90回アカデミー賞で、主演女優賞と助演男優賞を受賞している。さすがアカデミー賞に輝いただけに、主演女優フランシス・マクドーマンドの鬼気迫る演技力は、まさに狂人的で凄まじい迫力であった。
 ただストーリーのほうはやや単調で、序盤は少し眠くなってしまうのだが、これは製作者の視点がストーリーを紡ぐことではなく、アメリカリベラルの自己批判にあるからかもしれない。

 それはそれとして、ストーリーのほうはレイプされ殺された娘の復讐に燃え続ける過激な母親の怨念劇としか言いようがない。ところが一向に犯人は見つからず、母親の八つ当たり的な復讐行為によって直接関係のない人々が迷惑を被るという話である。
 邦題の『スリー・ビルボード』とは、まさにそのものズバリ3つの広告看板という意味である。そしてその看板に書かれた内容は、いつまで経っても娘を殺した犯人を逮捕出来ない警察と署長に対する嫌がらせであった。

 正式な原題は『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri』で、「ミズーリ州エビング郊外の3つの看板」という意味である。またエビングは架空の町であるが、ミズーリ州は実在しており、保守的な気風が漂う田舎町で、白人が多く住んでおり、いまだに人種差別が根強く残る地域だ。また近年、白人警官が丸腰の黒人青年を射殺した事件でも有名である。

 ところが皮肉にも、逆にミズーリ州に住む白人もまた差別の対象になっているようだ。つまりミズーリ州の白人の大半は、低賃金労働者で表社会では活躍できない人々で占められており、「ヒルビリー」と呼ばれて蔑まれている存在なのである。そのネガティブなヒルビリーこそが、トランプ大統領の支持基盤とも言われいる、という更なる嫌味も含んでいるようで興味深いのだが・・・。

 前半は主演女優フランシス・マクドーマンドの演技力に翻弄され続けてしまうのだが、後半はむしろ悪徳警官を演じ助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルの演技に注目したい。大火傷を負い、自らが傷つけた男に慰められ、また恩師の優しい遺言を読んで立ち直ってゆくのだ。じめじめとしていた本作の中での唯一の救いかもしれない。
 また中途半端なラストだったが、これはこれで良いのかもしれない。焦って結論を出すより、観客一人一人の良心的判断と想像に委ねてくれたからである。

評:蔵研人

 

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2019年8月 5日 (月)

終わった人

★★★

製作:2017年 日本 上映時間:125分 監督:中田秀夫

  原作は内館牧子の小説で、いつもはダンディーな役を演じている舘ひろしが、正反対のおとぼけダメ亭主役を演じているところが見所かもしれない。ただ妻役の黒木瞳が余りにも若見えし過ぎて、ちょっとアンバランスな感があった。

 そこそこ笑えるコメディー仕立てのつもりなのかもしれないが、余りにもありがちな定年後のエピソードには誰もが食傷気味であろう。さらに主人公の定年間際の窓際的な様子から、かなり以前に左遷されたときから、仕事に対する熱意がなくなっている様子が窺われる。
 そのくせ定年後の準備は何もしていないし、定年直後にはウロウロしているだけで、また働きたくなるという展開がよく理解できない。せっかく裕福なのだから、まだ働いている妻を巻き込まず、一人で故郷に帰るなり旅行するなり、ありがたく定年後を謳歌すればいいじゃないか。だから妻に呆れられて、嫌味ばかり浴びせられてしまうのである。

 また一番非現実的なのは、スポーツクラブで知り合っただけのIT会社の社長が、舘ひろしの学歴や経歴を知っていて、その場で顧問としてスカウトすることである。少なくとも「舘ひろしの現役時代に、いろいろ世話になった男がIT社長になり、偶然スポーツクラブで出会った」くらいのエピソードを挿入しておくべきだろう。余りにも安直かつ唐突なので、てっきり詐欺なのかと勘違いしてしまった。

 いずれにせよ、サラリーマンの定年後風景がステレオタイプのオンパレード。そんな取って付けたようなエピソードばかりでは、余りにも説得力がなさ過ぎるのだ。そんな定年退職者は、すでに80代以上の人の一部しか存在しないだろう。現代では定年後のほうが忙しいくらい、皆いろいろな活動に明け暮れていることくらいは理解して欲しいものである。
 それにしてもこの程度の作品では、映画化するほどの魅力も迫力も乏しい。せいぜいTVドラマで十分だったのではないだろうか。


評:蔵研人

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2019年8月 1日 (木)

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

★★★☆

製作:2018年 米国 上映時間:147分 監督:クリストファー・マッカリー

 基本的にシリーズものは観ないようにしているのだが、本作は余りにもネット評価が高いので、思わずレンタルしてしまった。もちろんハラハラドキドキの超アクションの連続や、56歳のトム走りやスタントを使わない頑張り振りには惜しげなく拍手を送りたい。

 だがやはりシリーズを通して登場する人物が多いことと、前作からの続編ということで、本作だけを観てもなかなかストーリーの奥深いところまで理解できないのだ。
 結局理解できたのは、「冷徹になり切れないイーサンの失態が原因で盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッション」だということだけである。まあ過激なアクションを楽しむ映画なのだから、それはそれでも構わないのかもしれない。
 
 それにしても高度7,620メートルからのダイブを地上スレスレまで追う空撮にはじまり、トイレを破壊するほどの大暴れ、凱旋門の放射状道路を逆走するバイクチェイス、そして屋上を走り回ってビルを飛び越えて移動する全力疾走と跳躍などなど、ともかく呆れるほどのアクション日和。

 さらにはクライマックスのヘリ追撃シーンと、断崖絶壁での格闘シーンがこれでもかと続く。それにしても凄いを通り過ぎた、想像を絶する超人的アクションの連続なのだ。おいおいトム君よ、そんなに張り切りまくって死ぬなよ・・・。

評:蔵研人

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