運命は踊る
★★★☆
製作:2017年 イスラエル・独・仏・スイス 上映時間:113分 監督:サミュエル・マオス
原題のFoxtrotは比較的テンポの速い社交ダンスの名前なのだが、邦題から推測すると次のように考えられる。フォックストロットのステップは、「前へ、前へ、右へ、ストップ。後ろ、後ろ、左へ、ストップ」でどう動いても元の位置に戻って来る。つまり人生はどうあがいても、結局は同じところへと帰って来る。既に動き出してしまった運命は、決して変えることができない、ということなのだろうか。
テルアビブに住むミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が息子ヨナタンの戦死を知らせにやってくる。それを聞いた妻ダフナはショックの余り気を失ってしまうシーンから始まる。もちろん夫のミハエルも冷静さを装っているものの、かなりのショックを受け、自ら熱湯で手の甲に大火傷させてしまうほどだった。
ところが後日になって、息子の戦死が誤報だったとの連絡を受ける。妻やその他の親族は、誤報で良かったと喜ぶのだが、ミハエルだけは激怒してすぐに息子を呼び戻すよう、知り合いの軍の上層部に要求するのだった。しかしこれが皮肉にも、逆に後味の悪い結果を呼び覚ましてしまうことになるのであった。
両親の葛藤シーンが第一幕で、息子とその同僚たちが国境の検問所で間延びしたような任務をこなしているシーンが第二幕となる。そして大逆転の第三幕で終演という流れなのだ。そしてほとんどのシーンが同じような場所で、同じようなメンバーで推移してゆく。まるで舞台劇を観ているようである。
なかなか難解な作品で、第三幕が始まるまでは、ストーリーの意図がなかなか掴めない。第二幕のオープニングで突如ラクダが登場するのだが、このラクダこそがこの作品の鍵となっている。なんとなくプロ好みの作品という感が否めないのだが、観る者を選ぶ作品であることも間違いないだろう。
評:蔵研人
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