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2019年3月26日 (火)

私の、息子

★★★☆

製作:2013年 ルーマニア 上映時間:112分 監督:カリン・ペーター・ネッツァー

 もしかすると、ルーマニア映画を観たのは初めてかもしれない。原題は『POZITIA COPILULUI/CHILD’S POSE』で、直訳すると子供の位置/子供のポーズという意味らしい。邦題のほうは、母親視点でのタイトルとなっていて、こちらのほうがぴったりしている気がする。
 本作は、第63回(2013年)ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞しているヒューマンドラマである。本作は自動車事故を起こして、被害者の少年を死に至らせてしまった男が、被害者の家族に謝るかどうかまでを描いているだけなのだ。

 ただこの男の母親は子離れできず、過干渉で息子を溺愛しているのである。また息子のほうは30歳を過ぎて、妻もいるのだが極度の潔癖症と対人恐怖症で自立できていない。
 またキャリアウーマンで裕福でコネを沢山持っている母親は、警察の上層部を頼ったり、証人と金銭交渉したり、あらゆる手段を駆使して息子を助けようとする。だが息子はそんな母親に怒りをぶつけ、放っておいてくれと怒鳴るのだった。

 よくある話であり、こんな母親が「振り込み詐欺」に引っ掛かってしまうのだろう。ストーリーとしては実に単調なのだが、母親の葛藤を延々と描いた心理劇と考えれば良く出来ている。たぶん母親役の女優さんの存在感と演技力の賜物なのであろう。
 それにしても、こんなバカ息子を救うために違法行為も辞さない母親は、とてもじゃないが観客の共感を得られないし、そんな献身的な母親を「あんた」と呼び捨てて罵倒するバカ息子は、さらに不愉快なキャラクターではないか。ところがラスト数秒のワンカットで、全てが納得できてしまうのである。ある意味摩訶不思議な映画なのかもしれない。

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