今夜、ロマンス劇場で
★★★★☆
製作:2018年 日本 上映時間:109分 監督:武内英樹
最近の邦画はマンガを実写化したものや、東野圭吾などの人気作家の小説を原作としたものばかりで、かなり食傷気味であった。ところが本作は良い意味で期待を裏切り、久々に映画らしい邦画を観た気分にさせて貰い嬉しくて堪らない。
時代背景は1960年頃、モノクロ映画の中から現実世界に飛び出したお姫様と映画監督志望の純真な青年のラブファンタジーである。なんとなく作品全体に『ローマの休日』や『ニュー・シネマ・パラダイス』あるいは『ある日どこかで』などを彷彿させられる雰囲気が漂う。だからオールド映画ファンにはとても心地よいのだ。まさに映画好きが創った映画ファンのための映画といってよいだろう。
また姫役の綾瀬はるかの凛とした品の良い美しさに、様々に変化してゆく衣装がぴたりとはまりとても印象的であった。そして若き日の純真な青年牧野に坂口健太郎、老いた牧野を演じてこれが映画遺作となった加藤剛と、ともに真面目さを売りにする二人を起用したことも成功している。
そしてラストに赤いバラと同時にモノクロがカラーに変わるシーンはとても感動的であった。「君の一番欲しかったものをプレゼントしてあげる」とは、まさにこのシーンのことなのだろうか・・・。
難を言えばストーリーに深味が足りなかったことと、製作費が不足していたことかもしれないが、映像・音楽・配役・衣装・ノスタルジー・初恋・切なさ・涙などを見事に配合した素晴らしい映画だと思う。邦画も捨てたものではないよね。これからもマンガの実写版だけではなく、映画の原点に戻ってこんな真摯な作品も創って欲しいものである。
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