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2018年10月30日 (火)

はじめてのおもてなし

★★★★

製作:2016年 ドイツ 上映時間:116分 監督:ジーモン・ファーフーフェン

 ドイツが創ったヒューマニズムコメディーで、いま国際的に大問題となっている『難民』問題を中心題材にしたファミリードラマである。従って家族全員と難民の青年が複数主人公となる。
 病院を辞めず、がなり立ててばかりいる医長のリヒャルトと、元校長だった妻のアンゲリカの夫婦が二人だけで住んでいた。そこに離婚した長男が孫を連れ、31歳になっても大学生の長女が帰郷してくる。
 ところがそこに、アンゲリカの希望で難民受け入れを決行し、ディアロというナイジェリアから亡命してきた青年が同居することになってしまう。

 ストーリー構成は分かり易くてテンポが良く、難民を受け入れたことによるファミリーの変化が丁寧に、かつコミカルに軽妙に描かれている。また貧しい国の難民にとっては平穏無事な普通の生活こそ幸福なのだが、裕福な国の人々にとっては、退屈でストレスの多い不満だらけの生活になってしまう。
 そうしたギャップを痛快に対比させて感動させてくれるのだ。もし邦画でこうしたテーマを映像化すると、かなり重々しく息苦しい作品になってしまいそうだ。
 それを飄々と軽妙なタッチで描きながら、ハッピーエンドにまとめてしまうところが実に見事ではないか。久々に楽しく良質な作品に出逢って、気分の良い夜を迎えることが出来た気がする。

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