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2018年10月18日 (木)

散り椿

★★★★

製作:2018年 日本 上映時間:112分 監督:木村大作

Chiritubaki
 監督:木村大作、脚本:小泉堯史、音楽:加古隆と花の70代トリオが揃えば、まずは完璧な時代劇映画を連想してしまうだろう。もちろん期待通り超美麗な映像と、ジイーンと胸に沁み込むストーリーに、流れるような音楽はほぼ期待通りだった。それだけは間違いなかったのだが…。

 主役の岡田准一をはじめとして、黒木華、麻生久美子、石橋蓮司、富司純子、奥田英二などは見応えのあるりっぱな演技力を誇示していたと思う。ところが演出が全て役者任せだったのか、セリフまわしが現代風で違和感の漂う俳優が数人目立っていたことが非常に残念であった。何故かと言えば、本作は黒澤明風味の本格時代劇であり、最近流行りのコミック発のバタ臭い時代劇ではないからである。

 さて最早TVの民放地上波では、時代劇はほぼ消滅してしまった感がある。それどころか最近は映画においても、本作のような本格時代劇の製作が少なくなってしまったのはなぜであろうか。
 それは時代劇に耐えられる風景が少なくなったことや、時代劇専門の撮影所が少なくなり製作費がかかること、現代の若者たちがシビアな時代劇を余り好まないこと等が原因と考えられる。更にはそのために時代劇を演じられる俳優が極端に減少してしまったことも、時代劇不調を増幅させているのかもしれない。

 そんな中で主演の岡田准一が、数少ない時代劇の出来る俳優として頑張っているのは非常に喜ばしいことである。日本が世界市場でも絶対的に負けない誇れる映画と言えば、本格時代劇をおいてないことは間違いのない確かな事実ではないか。
 また今後若者たちや外国人を引き込むためにも、本格的でありながら派手さも兼備した忍者映画や剣豪映画の製作なども忘れてはならない。黒澤時代に戻れるわけではないが、かつてのような時代劇ブームの再来と、時代劇俳優の質の向上を願ってやまないのは、決して私だけでは無いはずである。

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江戸時代・享保15年(1730年)。 藩の不正を訴え出たため、瓜生新兵衛は扇野藩を追放され浪人となった。 京で病に倒れた妻・篠は、自分が死んだら藩に戻り、今は藩主の側用人となっている因縁の親友・榊原采女(うねめ)を助けて欲しいと言い遺す。 故郷に戻った新兵衛は篠の実家に居候し、藩の不正事件の真相を探ることに…。 時代劇。... [続きを読む]

受信: 2018年10月19日 (金) 00時03分

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