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2018年10月の記事

2018年10月12日 (金)

百日告別

★★★☆

製作:2015年 台湾 上映時間:96分 監督:トム・リン

 交通事故で婚約者を失ってしまった女性・シンミンと、同じ事故で妊娠中の妻を亡くしてしまったユーウェイの悲しみを描いたヒューマンドラマである。
 最初は同じ悲しみを共有した二人の恋愛物語なのかと錯覚してしまったが、冒頭に記した通りあくまでもヒューマンドラマであり、ラブストーリーではなかった。突然最愛の伴侶を失った男女を襲った悲しみと苦しみを、百日まで追いかけてその葛藤を丁寧に描いた作品と言えよう。

 そして淡々と続く二人の心の傷は、百日経っても癒されないのだが、なんとなく微妙な余韻を感じるラストシーンは印象的であった。ただ惜しむらくは、二人のストーリーをパラレルに描き過ぎたため、それぞれの時の流れを把握し難かったこと、男優の顔付きにいま一つ共感を持てなかったことだろうか。決して悪い作品ではないのだが・・・。

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2018年10月 8日 (月)

コーヒーが冷めないうちに

★★★☆

製作:2018年 日本 上映時間:117分 監督:塚原あゆ子

Coff
 川口俊和の小説を映画化した作品である。過去に戻れる席(ある意味でタイムマシンの役割)のある喫茶店を舞台に、そこに訪れる客たちが体験する摩訶不思議な体験が描かれている。
 ただ過去に戻るには、非常に面倒ないくつかの掟があった。
1.過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わらない。
2.過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3.過去に戻れるのはコーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4.過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。

 という五つの約束である。
 これらの掟の中でも、「コーヒーが冷めるまでのタイムスリップ」というところが本作のミソであり、『謎の先客』の存在理由でもあるのだ。

 さて本作で過去に戻った客は三人である。
 アメリカへ旅立ってしまった幼馴染と喧嘩別れしたままの独身キャリアウーマン・清川二美子(波瑠)
 若年性アルツハイマーに侵された妻(薬師丸ひろ子)を優しく見守る夫・房木康徳(松重豊)
 故郷の妹に家業を押し付けて家出したスナックママ・平井八絵子(吉田羊)

 彼等のショートストーリーもそれなりに楽しめるのだが、なにせ時間的に描き方が中途半端なため、感情移入するゆとりが得られない。結局彼等はこの作品を彩るアクセサリーの一部に過ぎないのであろう。
 やはり本当の主役は、喫茶店で過去に戻るためのコーヒーを注ぐウェイトレス時田数(有村架純)なのだった。序盤の彼女はミステリアスで、陰気な雰囲気の漂う旅先案内人のようであった。
 ところが客の一人である大学生・新谷亮介と親しくなってからは、だんだん打ち解けはじめて、暗い過去の拘りが明らかになってくるのだ。そして謎の先客と彼女の秘密も解明されてくる。

 そしてラストのどんでん返しが花開き、タイムトラベルもののお約束のような見事な収束で幕を閉じるのである。またこの展開を分かり易く説明するような、エンドロールの映像配置もグッドタイミングだし、音楽もなかなか良い味付けに仕上がっていた。
 ただ登場人物が少なく、ほぼ喫茶店の中だけの話に終始するため、劇場映画というよりはテレビドラマで十分だったかもしれない。まあいずれにせよ、原作が良かったのか脚本が良かったのか、そこそこ泣けるし後味の良い楽しい映画であることは間違いないであろう。

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2018年10月 4日 (木)

キングスマン:ゴールデン・サークル

★★★☆

製作:2017年 英国 上映時間:140分 監督:マシュー・ヴォーン
 
 本作を一言で評価すれば、『007にコミカルタッチとエグいシーンを盛り込んだスパイ映画』と言ったところか。また本作より3年前に製作された初回作のほうが、好評価を得ているようだが、この続編もそれなりに楽しめたので大きな不満は湧かなかった。
 ただ映画開始直後、キングスマンの組織がいきなり壊滅してしまうのは、ぶっ飛び過ぎではないだろうか。またジュリアン・ムーアのおバカっぽい悪女も、なんとなく鼻につく。それに本物のエルトン・ジョンが、エルトン・ジョンを演じていたのは笑えるのだが、必要性に乏しいし余りにも馬鹿々々しいではないか。さらには人間ミンチに至っては、もう勘弁してよと文句を言いたくなってしまった。
 と言った具合に、かなり問題点とツッコミどころ満載なのだが、それらを遥かに乗り越えてしまうパワーと面白さを併せ持っていることも確かであろう。あとはこの映画を観る人の趣味と感性の世界ではないだろうか・・・。まあそれはそれとして、本作より評価の高い初回作も是非鑑賞してみたい。ただ第三作目はもう不要かもしれないね。

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