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2018年8月17日 (金)

ホステージ 戦慄のテロ計画

★★★

製作:2017年 ジョージア、ロシア、ポーランド 上映時間:104分 監督:レゾ・ギジナイッシュビリ

 本作は実話を基にして製作された作品であり、背景はまだロシアがガチンコの社会主義国だった1980年代のようである。当時のソ連国民は、反体制派の取り締まりをはじめ、国境警備、海外での情報収集などを行っていたKGB(ソ連国家保安委員会)の監視下におかれていた。
 そして少しでも西側に興味を持つ発言や行動を取ると、亡命希望者と見なされて投獄またはシベリア送りにされることがあったようである。さらに亡命や国家機密の流出、西側諸国の思想の流入、外貨流出等を防ぐ事を主な理由に、個人的な海外渡航が原則的に禁止されていた。

 本作のサブタイトルは『戦慄のテロ計画 』と付され、ジャンルもアクションとなっているのだが、どちらも全くの出鱈目である。実は西側にかぶれている宣教師にそそのかされた若者たちが集団亡命を計ったのだが、結果的にアクシデントが重なり、焦った一人が発砲してしまい、罪のない乗客・乗務員数名を犠牲にした大事件に発展してしまったのである。だから決してテロリストではないのだ。また本格的なアクションシーンが豊富に描けるはずの終盤の突入シーンも一切映像化されておらず、アクションというより旧ソ連の状況と国民意識を克明に描いた社会派ドラマと言ったほうが的を得ているだろう。

 それにしても前半の50分間の眠たかったこと・・・。何度も途中で投げ出したくなったか知れない。若者たちの環境や親たちの状況を丁寧に描いているのだが、私から見ると皆同じような顔付をしているため、誰が誰なのかよく判別がつかないまま睡眠状態に導かれてしまったのである。
 もし丁寧に描くのなら、なぜ裕福な家庭に育った若者たちが亡命に走ったのか、一体何が不満だったのか、その心情を克明に描写すべきではないだろうか。とは言うものの、たぶん裕福なボンボンたちだから、現実離れした理想を求めて無理な行動に走ったのかもしれないね。
 まさに旧ソ連時代は今の北朝鮮とそっくりさんだったようだ。だが現在のロシアは、何だかんだと言っても、このような映画が製作され世界的に上映出来るようになったのだから、連邦崩壊によって大変貌したと言えるだろう。結局は実行犯の若者たちのほとんどが死刑になり、その遺骨もどこに埋められたのか分からない状況だという。もし彼等が亡命を実行せずおとなしくしていれば、現在も60代位のおじいちゃんとして平和に暮らしているのにね。まさに若気の至り、無駄死にだったようである。

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