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2018年2月の記事

2018年2月25日 (日)

20センチュリー・ウーマン

★★★

製作:2016年 米国 上映時間:119分 監督:マイク・ミルズ

 本作の監督であるマイク・ミルズが、自身の母親をテーマにして創ったヒューマンドラマである。舞台は1970年代末の南カリフォルニアで、15歳の少年が母親・幼馴染・下宿人の三人の女性との様々な経験を描いている。

 主な登場人物は前述した4人と下宿人の男性の5人で、舞台もそれほど変化がなく会話が多いので、なんとなく演劇を観ているような感があった。
 この時代の母親にしてはなかなかさばけているのだが、やはり母は母であるという部分は決して譲らない。良いお母さんだね。と言いたくなってしまった。

 決して悪い映画ではないのだが、下ネタ会話が多過ぎるのは余りいただけない。また淡々とした流れは心地よいのだが、背景にある監督の真意がなかなか伝わり難いのは、お国柄の違いなのだろうか。

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2018年2月20日 (火)

素晴らしきかな、人生

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:97分 監督:デヴィッド・フランケル

広告代理店の社長として大成功したハワードだったが、愛娘の死に遭遇して妻と離婚してしまい、仕事も投げ出してしまうのだった。だがそのために会社の業績も悪化してしまい、最大のクライアントも失いつつある状況なのである。
 困り果てた社員たちが考えたのが、ハワードが呪っている『死』『時間』『愛』の天使たちを舞台俳優に演じさせることであった。
 一応この作品はヒューマン・ドラマを謳っているのだが、実はファンタジー作品だった。それも最後の最後になってやっと種明かしされるというタイミングの悪さなのだ。それならそうとはじめからファンタジー仕立ての映画にしたほうがどれほど楽しめたことか・・・。
 つまりスタートから約1時間は、眠たくて何度も投げ出してしまいたいほど退屈だったのである。やっと面白くなり始めたのが、ラスト30分前からという超・スロースターターなのだ。

 途中で投げ出さなかったのは、超・豪華キャストたちのお陰である。なんと主演のウィル・スミスはともかくとして、エドワード・ノートン、キーラ・ナイトレイ、ナオミ・ハリス、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレンといった主役級のスター達がずらりと脇を飾っているのだから驚いてしまう。
 これだけの豪華キャストなのだから、きっと面白い映画に違いない。実のところ、そうした暗示に引っ掛かってラストまでなんとか辛抱してしまったのである。

 題材は悪くはないし、ラストの収束もそこそこ秀逸なのだが、なにせ脚本と構成がいま一つなのだ。それにかなり気取り過ぎたのも失敗した原因だろう。だからこそウィル・スミスは完全なミスキャストだと感じながら観ていたのだが、ラストになってやはりウィル・スミスで良かったのかもしれないと考え直す羽目になったのである。いずれにせよ、観客に対して不親切過ぎる映画と言えないだろうか・・・。

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2018年2月15日 (木)

ワンダーウーマン

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:141分 監督:パティ・ジェンキンス

 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の終盤に登場した美女戦士ことワンダーウーマンの出生の秘密と、第一次世界大戦での彼女の活躍を描いた作品である。
 人間社会から孤立した島に住むアマゾネス一族に、たった一人生まれた王女ダイアナは、海に不時着したパイロットを救出したことにより、外部の世界や男性と遭遇することになる。それを機会にロンドンを経て第一次世界大戦の舞台に立つことになってしまうのだった。

 主演のガル・ガドットがとても色っぽくて可愛いのだが、近代戦場に盾と剣だけで立ち向かう半裸の女性の姿に、非常に違和感を覚えてしまったのは私だけであろうか。と思いながら観ていたのだが、終盤になってワンダーウーマンの出生の謎が解けると「・・・それなら仕方ないね」に変わってしまったのである。

 脚本自体は単調であっさりし過ぎているのでやや物足りないのだが、イスラエルでの兵役経験もあるガル・ガドットの本格的アクションには脱帽したいね。まさにこの役柄は彼女にしか熟せないだろうね。
 また最近クリストファー・ノーランによって歪められてしまったが、本来の正義の味方スーパーマン精神をきっちりと引き継いでいるところに非常に好感を持ってしまったね。さらにスーパーマン映画自体も、クリストファー・リーヴ時代のような単純明快なものとして復活して欲しいな。

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2018年2月 8日 (木)

ジュリエットからの手紙

★★★★

製作:2010年 米国 上映時間:105分 監督:ゲイリー・ウィニック

 米国映画なのだが、ほとんどのシーンがイタリアなのである。それもそのはず、本作はあの『ロミオとジュリエット』の舞台になったイタリア・ベローナにあるジュリエットの家の壁に、世界中の女性が貼り付けた恋愛相談の手紙がテーマになっているからである。
 この手紙は全て回収され「ジュリエットの秘書」と呼ばれるボランティアの女性たちが「ジュリエットレター」と呼ばれる返信レターを書いていると言う。

 本作ではたまたま婚前旅行に来ていたソフィ(アマンダ・セイフライド)が壁の奥に挟まっていた50年前の手紙を見つけて、返事を書いたことにより、なんとその返事を受け取ったクレアが、訪ねてくるところからストーリーは急展開してゆく。
 彼女は、50年前にイタリアで恋に落ちた男性との愛を貫けなかった苦悩を現在も引き摺っており、なんとかその男性と再会出来ないものかと、はるばる孫と一緒にロンドンからやってきたのであった。

 ソフィーは『ニューヨーカー』誌で働くライター志望の調査員なのだが、調査だけではなく「記事」も書きたいと言う願望をかねてより持ち続けていた。そんな目的もあって、クレアたちと一緒に50年前の男性を探す旅に伴うことになる。だが一緒に旅をしているうちに、クレアや孫のチャーリーと親しくなって行くのだった。

 なかなか見つからない男性。本当にまだ生きているのか、そして二人は巡り合えるのだろうか。クレア役の老女を演じたヴァネッサ・レッドグレーヴは、まさに本物のおばあちゃんだが、品の良い清楚なイメージが漂う美形の老女である。さらにはイタリアの美しい風景と流れるような軽快な音楽。まさに女性向の映画と言えよう。

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2018年2月 2日 (金)

22年目の告白-私が殺人犯です-

★★★☆

製作:2017年 日本 上映時間:117分 監督:入江悠

 韓国映画『殺人の告白』のリメイク版だという。
 時効を迎えた連続殺人事件の犯人が、公に姿をさらしたうえに、殺人に関する手記を出版し、テレビにまで出演する。という前半の下りまでは大いに盛り上がり、いったい彼は何者なのか、殺人の動機は何だったのだろうかと、ドキドキわくわくしたものである。
 
 ところが残念ながら後半に入ったところで、真犯人が誰だったのかがすぐ分かってしまった。そしてその時点から急に面白くなくなってしまったのである。さらに連続殺人事件の動機に至っても、余り共感を覚えるようなものでもなく、終わってみれば土曜サスペンス劇場といった雰囲気なのだ。
 またこのような展開と大ドン伝返しは、まさに韓国ドラマの真骨頂と言えるのだが、途中で底が見え見えになってしまったのはいただけない。韓国版のほうは観ていないので、もともとがこんなものだっのか、邦画にリメイクしたのが失敗だったのかは不明である。

 いずれにせよ、最近はリメイクものやマンガの実写化ばかりが目に付く邦画界であるが、もうかつての黒澤明監督作品のような、これぞ映画と言うような映画は創れないのであろうか。なにか淋しくってたまらないね。

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