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2018年1月18日 (木)

王様のためのホログラム

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:98分 監督:トム・ティクヴァ

 大手自動車メーカーの役員を解任され、離婚して家財も手放す羽目になったアラン・クレイ(トム・ハンクス)だが、なんとかIT企業に転職することが叶った。ところが手始めの職務は、なんとサウジアラビアに出張して、国王に最新鋭のTV会議システム「3Dホログラム」を売り込むことであった。
 しかしながら、国王にはなかなか会えない。と言うよりもその部下である担当者にさえなかなか会えないのだった。また受付の女性に聞いても、全く要件を理解してもらえず、いつも担当者は急に海外出張中というような回答しかもらえない。また偶然遭遇した担当者の代理人だと言うチェコ人の女性が、国王はここ1年以上は姿を見せないと言うのである。

 またプレゼンテーション場所のテントの中は、WIFIが使えず、食事の用意もなく、挙句の果ては電気まで止まってしまう始末。そのうえアランの背中に出来た腫瘍が痛みだし、病院での検査結果が癌だと判明する。まさに八方破れの崖っぷち状況、さてこれからアランは一体どうしたらよいのだろうか。

 原作はデイブ・エガーズの人気小説らしい。また内容的にはコメディーなのだが、ドタバタ演技はほとんどなく表情やタイミングだけで自然な笑いを誘うところがトム・ハンクスの真骨頂と言えるだろう。
 しかしながら残念だが、本作はネットでの評価が極めて低い。つまり物語が淡々とし過ぎて、一体何を主張したいのかが分かり難いからかもしれない。ことに主人公の悩みが中年以降の人でないと理解出来ない部分もあるため、ネットを牛耳っている若者たちの理解を得られなかったのだろう。

 ストーリー的にはサウジの女医さんとのラブシーン以外は余り観るべきところはないのだが、サウジの自然や慣習などはかなり興味深く鑑賞することが出来た。また本作の主眼である「異なる文化、異なる価値観を持つ者が互いに理解し、共に生きて新しい時代を創る」というメッセージと、トランプ大統領の米国第一主義・排他主義の捻じれ合いという構図が面白い。さらには製造業だけではなく、最先端のIT企業さえも中国に全く太刀打ち出来ないと言う、米国の中国に対する恐怖感に時代の流れを感じてしまった。

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