LION/ライオン ~25年目のただいま~
★★★★☆
製作:2016年 豪州 上映時間:119分 監督:ガース・デイヴィ
貧困の幼少時にインドで迷子になり、裕福なオーストラリア人の養子となって成長した青年が、グーグルアースを頼りにインドの実家を探し出すという変わった映画である。だがこれが実話だと知って二度びっくりなのだ。
主人公のサルーは利発で聡明な少年だが、5歳のときに兄から指示された待ち合わせ場所を移動してしまい、誤って長距離列車に乗ってしまう。また不運なことに、その列車は回送列車だったために、ノンストップで遙か遠くの町まで運ばれてしまうのである。
さらに降り立った町の言葉が少年の話す方言とは異なっていたために、彼の話が通じず孤児となって都会を彷徨い続けることになる。挙句の果ては、擁護施設に保護されることになってしまう。暫くして、施設の仲介でタスマニアで暮らす養父母の元に引き取られ、それまで見たこともない裕福な生活を享受することになるのであった。
25年間は養父母たちと平穏な毎日を送っていたのだが、大学の仲間たちとのパーティーで、幼い頃にインドで売っていた焼き菓子を見てしまい、幼い頃の記憶が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。それからと言うものは、毎日毎日グーグルアースでインドの地図を舐めるように調べて、自分が生まれ育った町を探すことだけに執心してしまうのである。
そのお蔭で養父母・義理の弟・恋人ともうまくゆかなくなってしまい、パソコンにのめり込むだけの引きこもり人生が始まってしまうのだった。果たして、実家は見つかるのだろうか。そしてよく一緒に遊んだ実兄と失明している実母は、一体どのような暮らしをしているのだろうか。
まず基本的なプロットや起承転結が明確であり、次々に先に対する興味を繋ぎながら紡いでゆくストーリー構成が実に見事である。そしてラストには、迷子になった自分を家族が探せなかった謎の解明を含め、その家族愛に熱い感動の涙を流さずにはいられないだろう。久し振りに本当に久しぶりに良い映画に出会うことが出来て幸せである。さすが第89回アカデミー賞にノミネートされた作品と、謳うだけの価値はあるよね。
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